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みんなみすべくきたすべく

本を一冊読めば行きたいところが増える

           妙心寺禅寺j
(承前)
 その実業家は、出光佐三です。
 出光佐三をモデルにした歴史経済小説「海賊とよばれた男」(百田尚樹 講談社)に、その夢の一端が出てきます。
 
≪ある日、父親と福岡の町を歩いている時に、骨董屋の店先で一幅の掛軸が目に止まった。それは布袋が天を指指し、子供が嬉しそうにその指を見つめてる様子が、ポンチ絵のような単純な線で描かれたものだった。作者の仙厓義梵(せんがいぎぼん)は、江戸時代後期の臨済宗の禅僧で、洒脱で飄逸な禅画を数多く書き残したが、当時はまったく無名であった。・・・・(中略)・・・・このとき、父親にせがんで購ってもらった『指月布袋画賛』と呼ばれる絵は、後に仙厓の代表作として世に知られることなる。禅宗の教えでは「月」は悟りのことで、それを示す「指」は経典である。その頃の鐡造はそんなものは知らなかったが、その絵に魅了され、晩年にいたるまで仙厓を追い求めることになる。≫

 この文で鐡造こと、出光佐三は、仙厓の禅画コレクションを増やし、出光美術館を設立したというわけです。この美術館には、国宝の伴大納言絵巻もあって、見に行きたいものだと思うもののまだ行けていません。

  ああ、各人の夢のおすそわけに預かりに、鏑木清方の旧居にも行ってみたいし、出光美術館にも足を運びたいし、ディケンズが手に入れた邸宅のあるチャタムにも行ってみたい。本を一冊読めば、行きたいところもまた増えて、困ってしまいます。(「もう一冊の本」に続く)

☆写真は、禅寺 京都 妙心寺

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