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みんなみすべくきたすべく

ヴィクトリア朝の挿絵 1

クレインj
 
(「後期ラファエル前派の展示」から続き)
(承前)
 ロンドンのV&Aは、たくさんの本の挿絵も所蔵しています。クマのプーさんやピーター・ラビットもありますが、今回の東京 三菱一号館美術館「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860‐1900」」(~2014年5月6日)では、テーマや時代がずれているため、来ていません。

 ウォルター・クレインは、挿絵(写真左「奥方の部屋」)が何点かだけでなく、壁紙や陶器やタイル等も出展されていました。また、ケート・グリーナウェイも一点来ていました。(写真右は、"The Art Of Kate Greenaway by Ina Taylor"(Webb & Bower)という本で、展示とは関係ありません。)
 唯美主義と言われる時代でも後半に位置するこの二人は、ランドルフ・コルデコットを含む3人で、英国の子どもの本の挿絵の歴史を見る上で、重要な3人となりました。(米国の絵本賞はコルデコット賞、英国の絵本の賞はグリーナウェィ賞。)

 装飾華美で描き込み過ぎのきらいのあるウォルター・クレイン、お洒落な人形のような子どもたちを描いたケート・グリーナウェイ、動きのある生き生きとした挿絵を書いたランドルフ・コルデコット。

 写真に写る二枚の絵は、当時のお茶のシーンです。模様の壁紙、模様の絨毯や椅子、絵柄入りのタイルで装飾された暖炉等など、こてこてした部屋が、なんとも言えずヴィクトリアン。屋外で着飾ってお茶するご婦人たちも、リボンやレースやひらひらや。お茶セットは、片や、銀器のようで、片や、ブルー&ホワイトの陶器のようです。

 この唯美主義展は、ラファエル前派集団の中でも、前期の象徴主義から、ただ美しい(唯美)ことを求めて行く後期の流れを見るものでした。

 ところで、写真左のウォルター・クレインの描く暖炉のそばに4枚もの団扇。ここにも日本の影響が見えます。(続く)

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