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みんなみすべくきたすべく

色彩を持たない

                2014海初日の出j
 
(承前)
 ノーベル文学賞といっても、なんだか、大陸毎だとか、人種のことだとか、翻訳の問題とか、データで判断する功績と違って、判断基準がよくわかりません。
 そんなノーベル文学賞候補作家 村上春樹の2013年の新作「色彩を持たない多崎つくるの巡礼の年」(文藝春秋)を図書館で予約したのが、昨年4月。12月に順番が回ってきました。

 かなり個性的なタイトルのわりに、読んでみるとすぐ、わかりやすいタイトルだと判明。
 はじめ、人物たちの設定や前半の進め方は、他にも、こんな書き方の話題作なら、読んだなぁ・・・と思いながら読んでいました。流行作家とノーベル文学賞候補作家の違いはどこ? 音楽を盛り込みながら進めて行く書き方が、作品に深みを加えるとされるんだろうか?

・・・などなどと、斜に構えながら、読んでいたら、後半、推理小説にも似て、一気に読了。
実際には、推理小説ではないし、結末が、私の求めているものではなかったとはいえ、今まで読んだ村上春樹の何冊かより、読みやすかった。小難しくない。
 加えていうなら、小説の背景が、『男女共学の高校時代』。これが一番親しみやすかった因子かもしれません。
実は、私の卒業した高校と学区こそ違え、村上春樹も、神戸の高校出身なので、この背景が手に取るようにわかるのです。その後のそれぞれの人生の描き方も、フィクションとノンフィクションがないまぜになり、一種ノスタルジックな気もちになりました。
 
 と、同時に、あの頃の心情が作家の手により表現されていくのは、興味深いものでした。
「青春の光と影」が、テーマの小説ながら、そんなありきたりなタイトルをつけなかったところが、ノーベル文学賞候補作家なのかも?
☆写真は、2014年1月1日初日の出。近くの海。

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