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あくたれラルフのクリスマス

               モビールj
 「あくたれねこの ラルフは、セイラのねこでした。ラルフは、いたずらがだいすきでした。」で始まる「あくたれラルフのクリスマス」 (ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵 こみやゆう訳 PHP)。

  シリーズの第一作「あくたれラルフ」(ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵 石井桃子訳 福音館)のあと、しばらく、他のラルフは翻訳されていませんでしたが、2010年こみやゆう訳で「あくたれラルフのたんじょうび」2013年「あくたれラルフのクリスマス」が出版されました。おお、ラルフ健在!あくたれ真骨頂!

 「あくたれラルフ」は、1982年に石井桃子さんが訳されています。そのときは、真面目で丁寧な仕事ぶりの石井桃子さんが、こんなにひどい悪がきラルフをチョイスしたギャップに、少々驚きました。が、悪がきラルフは、子どもらしい心を、極端に表現した愛すべき悪がきなのです。

  描きなぐったかのような絵、マチスや野獣派(フォーヴィスム)といわれる画家たちに似た描き方は、絵本の絵として新鮮で、悪がき ラルフぴったりです。なにしろ、従来のいい子を描いているわけではありませんから。

 最初の「あくたれラルフ」は1976年の作で、画家も23歳の新鋭。描かれたラルフも、ずいぶん尖っていますが、1984年の「あくたれラルフのクリスマス」のラルフは、最初のラルフより丸みを帯びた身体つきで、悪いのに憎めないキャラクター色が濃くなっています。
それにまた、3冊の壁紙やベッドやソファのファブリックの楽しいこと、それなのに、セイラは3冊とも同じ服・・・などと、絵を見る楽しみも大きい。

  さて、シリーズ3冊の中でも、この「あくたれラルフのクリスマス」は、悪たれる理由が、ちゃんとわかっているので、「そうそう」「わかった、わかった」「こんな子、居る 居る」と、共感・理解の世界がより広がります。
 ま、このテーマは、クリスマスの絵本でなくてもいいとはいえ、あくたれラルフが、セイラの膝の上で満足そうな顔をしている最後のページは、クリスマスの温かさまでも伝えているようで好きです。

  そして、一旦帰国中の我が家のラルフも、この絵本たちを手にし、「あはは、可愛いー」と、なごんでおりました。いつの間にか、大人になったラルフです。

*「あくたれラルフ」(ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵 石井桃子訳 福音館)
*「あくたれラルフのたんじょうび」(ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵 こみやゆう訳 PHP)
*「あくたれラルフのクリスマス」(ジャック・ガントス作 ニコール・ルーベル絵 こみやゆう訳 PHP)
☆写真は、ロンドン F&M。

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