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みんなみすべくきたすべく

図録 その1

         8人のj
(承前)
 「ベン・シャーン 線の魔術師」展に行って、「ハレルヤシリーズ」に感動したことは書きました。が、家に帰って、細かく解説を読みながら、もう一度、楽しみたいと思って図録を買ったのに、ハレルヤシリーズはたった二枚。他の連作、ラッキードラゴン、シェイクスピア「ハムレットーテレビ脚本」すら、それらの少数を載せているだけ。

 従来の図録より表紙が厚紙で、お洒落な大判ノートの雰囲気が漂う図録です。うーん。これは画集であって、図録と言わないのか?個々の解説もない。ま、後ろに出展リストが付いているので、図録の一派なのかもしれません。が、しかし、他にこの展覧会の図録がない以上、展覧会を楽しんだ人が家に帰っても楽しむには、この図録を購入するしかない。

 図録は、お洒落でいいセンスより、記録だということを忘れた自己満足になっていたような・・・企画者サイドで印象に残る素敵なものを、一般の観覧者は期待していません。企画者の才能を見に行ったわけではないのですし、画集なら、他にあるでしょうし。

 以前、受講していた英国人の教授による「英国文化論」では、一時期、テキストに、「テート・ギャラリー展(1998年)」の図録を使用されていたことがあります。「ベン・シャーン展」とは、出品点数が違うとはいえ、また、いろんな画家の展示だったとはいえ、どの絵も「図で記録」され、どの絵にも解説がついておりました。だから、会期が終わっても、あるいは行った事がなくても、ある意味、その展覧会をもう一度楽しめました。つまり、こういう、ありきたりな図録こそ、展示物に敬意を表しているものだと思うのです。

 丸沼美術館のコレクションが素晴らしかっただけに、今回のお洒落な図録には、複雑な思いが残りました。

☆写真は、左ベン・シャーン「A Partridge in a Pear Tree」右ポップアップ絵本「The 12 Days Of Christmas」(R.Sabuda)8日目、8人の乳しぼり娘。

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