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みんなみすべくきたすべく

ベン・シャーン 連作

      マルテj
 (承前)
 伊丹美術館の「ベン・シャーン――線の魔術師」展には、二回足を運びました。
 一度は、開期の初め頃、ほとんど人の居ない状態の時。
 二回目は、同館で行われたアーサー・ビナード氏の講演会の時でした。
 二度とも、時間をかけ楽しんだのが、「ハレルヤシリーズ」という楽器を持つ人たちの連作です。イディシュ文字を装飾している画は輝き、楽器を持つ人たちはそれぞれが美しい。近くで見てもよかったけれど、壁から離れて全体を見ると、さながら、楽の音が聞こえてきそう。きっと、これは、一枚ずつバラバラで鑑賞するより、また、本と言う形にするより、こうやって、並べられてこそ、真価を発揮するような気がします。

 それから、最後の展示室にあったリルケ「マルテの手記」から生まれた石版画集「一行の詩のためには・・・」の24枚のリトグラフは、それまでの空気と変わり、涙が出そうになるような穏やかで包み込むような空気が漂っていました。後から知ったことですが、ベン・シャーンが亡くなる前年に残した作品だということもあって、何か突き抜けた空気を感じたのかもしれません。
「マルテの手記」は、ベン・シャーンが愛した小説で、その小説の一節に思いを込めて、作品に残したようです。「マルテの手記」の一部、その一句、一句を、絵にしています。(続く)

☆写真の絵ハガキは、その一部です。右上隅にグレーが少ししか写っていないのが、「飛ぶ鳥の姿」、その左「心を悲しませてしまった両親を」「静かなしんとした部屋で」「小さな草花のたたずまい」「星くずとともに消え去った旅寝に夜々」、右中、「産婦の叫び」右下「少年の日の思い出を」「少年時代の病気を」「扉Ⅰ」。加えて、昨日のポスター・チケットなどの絵「愛にみちた多くの夜の回想」。明日掲載予定の「海そのものの姿」も「マルテの手記」の一句から描かれています。

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