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みんなみすべくきたすべく

おはなし運びのうまい人

アインシュタインj
「聖なる酔っぱらいの伝説 他四篇」(ヨーゼフ・ロート作 池内紀訳 岩波文庫)
 表紙の愛らしい聖女の絵に惹かれて購入していたものの、相変わらず、積んでおいた岩波文庫でした。が、読み出すと面白い。

 ユダヤ系作家の作品って、どうしてこんなに、お話運びが、うまいんでしょう?
 アイザック・バシェヴィス・シンガー然り、「牛乳屋テヴィエ」のショレム・アレイヘム然り。絵本の世界のセンダックだってツェマックだって、そして、ファージョンだって。

 大昔から、身一つで移動するとき、荷物にならないものを、たくさん身につけるという技が、ユダヤの民のDNAの中にあるのでしょう。学問でも、芸術でも。そして、最たるものが、お話。誰でも、手ぶらで、移動できます。
 荷物になる本を持って移動しない以上、お話を聴き、お話を伝え、お話を身体にたくさん持って、大人になるということでしょう。もちろん、どうしても伝えなければならないことも、歴史の中で増えていったわけですから、お話を身に着ける能力の進化ということは考えられます。さらにいうならば、学問も芸術でも、優れた業績・作品を残した人は、その根っこにお話を持っている。

 アメリカを中心とした国々で著名となるユダヤ系だけでなく、ミドルクラスのユダヤ系の普通のおうちでも、複数の楽器がありリビングには譜面台があり、その親戚には、ちょっとした画家や演奏家が居たりするのを知っています。そして、その家の子どもたちは、一人はケンブリッジに行き、一人はアーティストになりました。
・・・と、書いている間に、肝心の「聖なる酔っ払いの伝説」の感想を書いていないことに気づきました。(続く)

☆写真は、1922年ユダヤ人アインシュタイン博士が奈良ホテルに宿泊した際に弾いたピアノとその写真。ピアノは1992年に発見。写真原版は2008年に原版発見ということで、新聞などで報道されていましたね。学者だった彼も、ピアノが弾けたのね。

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