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みんなみすべくきたすべく

ローマの入植地

遺跡j
  スイスから帰って、夫が嬉しそうに1冊の本を持ってきました。「新・ローマ帝国衰亡史」(南川高志 岩波新書)「ここに、こんなん書いてるで!」
≪カエサルは・・・・ノウィオドゥヌム(現在のニヨン)に、退役兵を入植させ、植民地(コロニア)を建設した。≫

 前のスイス訪問のときも、レマン湖畔 モントルーという町に泊りました。今回は、娘も一緒で、娘は山岳地方に行かず、途中でロンドンに戻ろうとしていましたから、ジュネーブからさほど遠くないニヨンを選んだのです。もちろん、ジュネーブやローザンヌでもよかったのに、なにゆえ、ニヨンかというと、ローマの遺跡があって、イタリアに行かずとも、塩野七生ファンの夫の興味関心に近いかと。

 とはいえ、ローズマリ・サトクリフのローマンブリテンに近づきたくて、ルトピエ(現在のリッチボロー)、ベンタ(現在のウィンチェスター)、ドゥロベーナム(現在のカンタベリー)、エジンバラ近郊のカステッルム(現在のクラモンド)等などに、足を運んできた私にとっても、ニヨンには、ちょっとビックリ!
というのは、英国にあった遺跡や、その町の様子と随分違う場所だったからです。
 陽光燦々、あかるーい。開放的!食べものおいしーい!
 確かに見晴らしがきくので、要所だったのはわかります。でも、ここにローマ軍?
 で、先の岩波新書に「退役軍人を入植させ・・・」とあったので、納得!
 ニヨンは、レマン湖の要所ではあるけど、退役した人が、心穏やかに余生を過ごす場所なのです。

 ここで思い出すのが、サトクリフ「第九軍団のワシ」の最後。
≪・・・退役する百人隊長マーカスに、土地が与えられるという通知が来ます。そして、マーカスは、故郷のエトルリアを思いながらも、ブリテンに土地をもらうことを決意します。思い起こすのは、松林から匂って来る樹脂のかぐわしい匂い、タチジャコウマンネンロウや野生のシクラメンの甘い匂い。が、決意させたものは、ほかの匂いや風景や物音、薄青く、変わりやすい北国の空や、緑のチドリのなき声など・・・・≫

 ニヨンを選んだ退役軍人、エトルリアを選んだ退役軍人、ブリテンを選んだ退役軍人・・・。サトクリフのおかげで、この底抜けに明るいニヨンの空と湖の色に深みが加わったわ!

*ローズマリー・サトクリフ ローマン・ブリテン 「ともしびをかかげて」「第九軍団のワシ」「銀の枝」「辺境のオオカミ」 (いずれも、猪熊葉子訳 岩波 挿絵は、キーピングとホッジス)
        ニヨン屋根j
        

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