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みんなみすべくきたすべく

はだかの王さま

         トピアリーと石像j
 (「料理は味気なくなってしまったのかもしれない」から続き)
(承前)
「暮らしのイギリス史 王侯から庶民まで」 (ルーシ・ワースリー著 中島俊郎・玉井史絵訳 NTT出版)には、こんなことも書いていました。

≪そもそも、何百年もにわたり、国王、貴族は寝室では肌着姿で通した。起床直後の接見会は、寝室ではなく幾分かは公的な部屋で執り行われたが、その部屋で召使から衣服を受け取った。だから、下着姿の王は、召使の注視に慣れる必要があったわけである。・・・・・アン女王の(1665~1714)の宮廷でも、半ば人目にさらされた衆人環視の中で、女王の着替えは挙行されていた。女王の寝室係を階級順に列挙すれば、衣装担当者、貴族の女性がつとめる寝室付き付添い人、寝室専用員、着替え介添え人、美容師、小姓となる。・・・・王室でくりひろげられる着替えの儀が書きつらねてある資料にあたれば、驚くほどの人手を動員している事実が判明する。・・・≫

 ふーん、そうだったんだ。確かに、映画「もうひとりのシェイクスピア」の中でも、エリザベス女王が侍女たちと着替えしているところがありましたが、史実は、さらに多くの人が着替えに群がっていたのですね。

 人目にさらされる着替えで思い出したのが、アンデルセンの「はだかの王様」です。
 こちらは、王様自ら、きれいな服を見せびらかすのが好きだと、書いているのですが、何も実体のない服に着替える、そのそばには、たくさんのおとのものや侍従たち。

≪「おお、なんておにあいだろう!」だれもが口をそろえて、さけびました。「お体にぴったりだ!かたちも色も、じつにすばらしい!これこそ王さまのおめしものだ!」≫
 実際に、裸でなくとも、こんな場面は、王宮で、幾度も繰り返されてきたのだと思うと、「王さまは、なんにもきてないよ!!!」と言った小さい子どもは、まったく愉快です。(「同じ絵でも」に続く)

「はだかの王さま」(アンデルセン作 バージニア・リー・バートン絵乾侑美子訳 岩波)

☆写真は、英国クリブデン宮殿庭。

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