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25年目の弦楽四重奏

        チッピンカムデン塀の薔薇j

  二日続けて、映画館に涼みに行きました。
 今年になって、老いが絡んだ映画3本目と4本目です。また、ダスティン・ホフマンが監督した「カルテット!人生のオペラハウス」同様、音楽が中心にある二本でした。

  まず、「25年目の弦楽四重奏」(原題 A   LATE  QUARTET)

  ベートーベンが亡くなる前に完成させた弦楽四重奏曲第14番、その全7楽章を途切れることなく演奏するようにベートーベンは言い遺したようなのですが、それは、途中でチューニングすることなく弾き続けることになり、狂って行く音程の中で調和していくという曲なんだそうです。ま、素人にはよくわかりませんが、ともかく、狂う音の中で調和させないといけないという難度の高い曲と、調和が崩れていく人間模様、そんな映画です。

  カルテット人員の不協和音については、昨年、丸谷才一の「持ち重りする薔薇の花」(新潮社)で読んだのを思い出します。
  そりゃそうです。カルテットを組む人たちは、各人、幼い頃から、他の子どもたちより優れた才能を発揮し、高みに到達した人ばかりですから、そのプライドたるや、凡人にはわからない世界だとわかります。そんな4人が、心を合わせ演奏する。それは素晴らしいものなのです。が、演奏に至るまでの、プライドのぶつかり合い、秘めた思い。そんなこんなを映画にしています。

大雪のニューヨークが美しく、哀しい。
セントラルパークを歩く二人。
マンハッタンの街をタクシーに乗る二人。
メトロポリタン美術館のレンブラントの前に立つ二人。
このどれもが、一人のビオラの女性と他の3人の男性です。
そして、若くて有望な娘も加わって・・・
調和が必要なのに、ちょっとした、ずれから 壊れていく。

映画の中で二編の詩が紹介されます。一つは、Ogden Nashの“OLD MEN” 
シビアな内容を、地下鉄の中で小さな女の子が読みます。

もう一つはT.S.エリオット「四つの四重奏」 (岩崎宗治訳 岩波文庫)“バーント・ノートン(Burnt Norton)”からでした。以下、そのほんの一部。
≪現在の時間と過去の時間は
おそらく共に未来の時間の中に現在し
未来の時間はまた過去の時間の中に含まれる。
あらゆる時間が永遠に現在するとすれば
あらゆる時間は償うことのできないもの。・・・≫
(映画「アンコール」に続く)

☆写真は、英国コッツウォルズ チッピングカムデンの民家 なにゆえ、この文に関係があるか?わかった人は、すごーい。エリオットの「四つの四重奏」“バーント・ノートン(Burnt Norton)”というのは、チッピングカムデン近くにある古いカントリーハウスの名前だそう。

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