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みんなみすべくきたすべく

リリス

         アゲハ来たj
(「幻影の盾」から続き)
(承前)
 とはいえ、「リリス」という女性が何物かをよく知りませんでした。すると、メソポタミア時代からの夜の魔女だとか、ヘブライ文学に登場したりだとか、随分、古い人でした。また、アダムの一人目の奥さんとも言われ、なんともはや、筋金入りの魔性の女。

 そんな土台があって、ジョージ・マクドナルドの「リリス」の不思議な世界も描かれます。
この「リリス」は変幻自在、ともかく、ファンタジーの極みとも言える、ストーリー展開です。トールキンやルイスなどに影響を与えたのも納得できます。かつて、マクドナルドの「北風のうしろの国」*が面白かったので、勢いで、この「リリス」も購入したのが20年くらい前!・・で、ついていけず本棚の片隅に眠っていたのを今回、引っ張り出しました。

 「リリス」というタイトルから、いつ「リリス」が出てくるん?と思いながら読むも、主人公は、おぼっちゃま育ちだった「わたし」だし、「リリス」という実体の登場は結構後半だし(実際には、リリスとわからないまま出てきます)、最後もようわからんし(最後の章題が「終りのない終末」!)。
 と、ストーリーの展開について行くのがしんどいものの、場面場面の表現は美しく、またとても深い。哲学的とも言えます。
≪いまになって初めて、孤独という言葉の意味がわかった・・・・・(中略)・・・・人間は、卑しい物質の組み立てと霊的な構成を土台として、そこから生まれ、そこに立っているのだ。だからまわりの環境はかれの生命を慰めたり豊かにしてくれたりはしない。他人の魂が与えてくれるものに比べたら、はるかに卑俗だ。人間は、他人の魂の中ではじめて息をすることができる。他人の魂の反応をまって初めて、人はその長所を伸ばし、その思考を高め、自分を他人と区別させる個性を育てることができる・・・・・≫
(「オフィーリア」に続く)

*「リリス」(ジョージ・マクドナルド著 エリナー・ヴェレ・ボイル画 荒俣宏訳 ちくま文庫)
*「北風のうしろの国」(ジョージ・マクドナルド著 アーサー・ヒューズ絵 中村妙子 ハヤカワ文庫)
☆写真は、蝶に変身したミミズ(というのが、「リリス」に出てくる)

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