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みんなみすべくきたすべく

本の隅々まで

            得浄明院圭鳳流家元j
 
 若い頃から読書は好きだというものの 若かった頃には、飛ばしていた(あるいは適当に読んでいた)あとがきや解説、註釈が、最近は、とても面白い。多分、「制作」(エミール・ゾラ文 清水正和訳 岩波文庫)の解説に感動して以来、本の隅々まで楽しめることを知ったからでしょう。やっと。

 若い頃、作者の本文以外は、「おまけ」としか見ていなかったと思います。解説なんか「うざい」と思っていたのです。たぶん。
 しかしながら、今では、もったいないから、隅々まで読んでおこうというケチな根性も働いていると思われます。

 そして今回、読み返した夏目漱石「坊ちゃん」(新潮社文庫)の江藤淳の解説「漱石の文学」「坊ちゃんについて」もまた内容の濃いものです。(奥付には昭和55年版とあり、表紙は安野光雅) 
 漱石の文学が今日に生き続けている理由、漱石を現代に生かしている要素、また、漱石のロンドン留学で知ってしまった「近代」というもの等・・・・・解説という短い文面の中で、鋭く切り込んでいます。
 また、漱石の作風が転換することについて、≪・・・このような同時代(近代)への嫌悪感をユーモラスな語り口に包んでやや饒舌に語るという作風から「近代」に生存を余儀なくされている人間の孤独な影を描くという作風への転換を示した。・・・≫と説明しています。
手に取りやすいユーモラスな語り口の作品だけでなく、作風転換後の作品もまた読んでみなければ・・・

 さて、江藤淳氏の博士論文だったらしい「漱石とアーサー王伝説ー『薤露行』の比較文学的研究」 (講談社学芸文庫)の解説は、美術史学者・美術評論家の高階 秀爾氏です。
(「薤露行(かいろこう)」に続く)

☆写真は、京都得浄明院 圭凰流家元いけばな。緑と花器の白、そして後ろの唐紙の銀。絶妙、美しい!

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