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みんなみすべくきたすべく

赤いはな

紅花j
(「先達はあらまほしきことなり」から続き)
(承前)
 末摘花、すなわち紅花のこと。
 
 ベニバナは、その花びらが染料になります。(写真は、園芸種の紅花ですが、)紅花は、初め、黄色であったの先(端)が、赤く変わり、その花びらを集め(んで)乾かしたものを染料にしたり、生薬にしたり、あるいは口紅・頬紅の原料としても使用されてきたようです。また現代では、紅花油と言う食用油もありますから、ベニバナって、利用範囲の大きい植物なのです。

 が、しかし、源氏物語の紅花・・・末摘花に対する、紫式部の表現は、かなり残酷です。

 何ゆえに、常陸の宮のお姫様が末摘花と呼ばれるようになったかは、源氏が詠んだ歌「なつかしき色ともなしに何にこのすえつむ花を袖にふれけむ」〔それほど心惹かれるということでもないに、なぜ末摘花(のように鼻の赤い人)に触れてしまったのだろう〕なのですが、彼女の鼻が垂れ下がり、しかも鼻先が赤い、紅鼻。花の先だけ赤くなる紅花とかけているのです。(きびしい!)

 それに、後日、源氏は、若紫とふざけて、自分の鼻先に紅を塗り、紅が取れないのではないかと若紫に心配させたり、また、「いやはや」と言いながら、「紅の花ぞあやなくうとまるる 梅の立ち枝はなつかしけれど」〔赤い花(鼻)はわけもなく嫌だけれど、立ち枝(鼻)は、ちょっと心惹かれるなぁ〕と詠んだり。(勝手なこと!)

 末摘花は、琴の名手で黒髪自慢ではありますが、顔だけでなく身体つきも難ありで、しかも、少々野暮ったく、風流を解さない。とはいえ、源氏もいいすぎたと思うのか、彼女の世話をするのです。(偽善的やわ!)

 月日が流れ、源氏が京都からいなくなるも、末摘花は、周りの言葉にも耳を貸さず、一途に源氏を待ち続け・・・(うーん、頑固。意地になってるでしょ!)

 結局、きつい歌を詠み、小馬鹿にしたのに、源氏は、末摘花も源氏の屋敷に住まわせることになって・・・(それって、優しい?罪の意識が大きい?)

 とはいえ、末摘花というお姫様、普賢菩薩の乗り物、つまり象のような鼻と形容されたけれど、鼻が高く長く、額が広くて高くて面長で、皮膚の色が青白く、肩が筋張っているくらい痩せていて、しかも黒髪自慢で、楽器が出来るセレブのお嬢さん。もしかして、世が世なら、いい線行く?(胴が長いのは、服で隠せるし、鼻の赤いのは、化粧で隠せます。)

 加えて、蓬が生い茂る邸で、末摘花は待ち続け、ついに源氏に再会するわけですが、その巻は、「蓬生(よもぎう)」。
 あれ?蓬も、植物染料の一つではありませんか。ベニバナもヨモギも、結構、重宝なのです。双方、食料品になるくらい。
 ふーむ、とすると、あんな辛辣に描いた紫式部も、実は末摘花に一目置いていた?
 それとも、反対に、きらびやかな衣装の糸の素の素の染料にしか過ぎない、と、まーだ残酷なこと思っていた?
 植物だけに、根が深い。ふっふっふっ

☆写真は、花瓶に入れた園芸種の「紅花」

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