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天使の分け前

                          コヴェントガーデンパブj
 ウィスキーなどが樽の中で熟成されていく間に、少しずつ蒸発していく分量のことを「天使の分け前 THE ANGELS' SHARE」というしゃれた言い方をするらしく、英国映画のタイトルにも、なっています。

 スコットランドのグラスゴー、劣悪な環境で荒れていたロビーという不良青年が、テイスティングで、才能を発揮し、未来を見据え、成長していく(熟成していく)ストーリーです。ロビーが、自分の子どもをこわごわ抱くシーンは、感動的です。まだ、腫れぼったい顔で、ぐっすり眠る本物の赤ちゃん。これを天使と言わずに何を天使と言いましょう。赤ちゃんをのぞきこむ若い夫婦の穏やかな表情。天使を授かって、人の親になって行く・・・暗示的なシーンです。

 若者の失業や犯罪や再犯、加害者と被害者など、重いテーマが底に流れているのですが、時に笑いを誘い、時にハラハラする、そして、さりげなく優しい映画でした。

 「天使の分け前 THE ANGELS' SHARE」は、ウィスキーが蒸発する時の言い方とはいえ、SHAREの意味には、分け前や割り当てだけでなく、役割や参加、尽力、貢献といった意味もあります。動詞になると、分かつ、共にする、仲間入りする、という意味も見つかります。つまり、映画のタイトル「天使の分け前 THE ANGELS' SHARE」は、映画の展開、そして、結末と結びつく、深いものです。

 主役に抜擢された青年も、映画と同じような環境で育った青年で、映画は初出演。
 彼が被害者の前で流す悲痛な涙は、心に迫り、初めは、暗くさえない彼が、最後のシーンでは希望溢れるハンサムに見えます。まだまだ熟成中である青年の清々しい笑顔のエンディングでした。
 この俳優(ポール・ブラニガン)にも、映画出演のSHAREがあったのですね。

☆写真は、ロンドン コヴェントガーデン 昼間のパブ。手前の花は、スコットランド国花のアザミ。カラカラ とげとげになったアザミのドライフラワーを、博物館などの椅子に置いて、入場者が座れないようにしているのをよく見かけます。「座るな」と書くよりしゃれているなと思います。(撮影:&Co.H)

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