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コンテンポラリーアート

マンハッタンガラス越しj
(「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」から続き)
(承前)
  Contemporaryはラテン語「時代を共にする(con+tempus 「時間」)」の意。
  ということで、コンテンポラリーアートは、現代のアートのことなのですが、時代は止まらず、先に進むとなれば、今のコンテンポラリーアートは、いつか古典となりゆく・・・

  二作のドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」の彼らは、アメリカのコンテンポラリーアート収集家でした。すでに古典になったものや、評価の定まったものを収集するのではなく、素材も題材も豊富な現代のアートを、しかも、部屋に入るものと言う基準があるので、小さなものだけを収集していたわけです。ともすれば、現代アートはわからない、難しい、はっきり言って、単なるメモや子どもの殴り書きなどとの差がわからない・・・という声もある中、彼らは彼らの審美眼で収集していました。

  閑話休題。夫婦の収集家として、有名なのは、このハーブ&ドロシー夫妻のほか、現在、日本で開催されているクラーク・コレクションのクラーク夫妻(東京~2013年5月26日、兵庫2013年6月8日~9月1日)、東北で開催している「若冲がきてくれました」(仙台~2013年5月6日、岩手5月18日~7月15日、福島7月27日~9月23日)のプライス夫妻、あるいは、かつてのパリのジャックマール=アンドレ美術館のジャックマール夫妻。夫婦二人の審美眼が合致するとき、最強のコレクションになるのかもしれません。

  さて、「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物」の中で、ホノルル美術館の学芸員の話は興味深いです。
 ホノルルでは、小さな子どもたちが参加できるワークショップや絵画発見体験などの工夫、庭でのフラダンスなど、集客に努めています。小さな子どもたちが、館内を「みつけた!」とか「ママ、こっちにあるよ!」等と、楽しそうに、走り回っています。
 それで、学芸員は大筋でこんなことを言うのです。
≪現代アートは、ともすれば、こんな簡単なこと、自分でもできそうなのに、と思える。それは、作品を身近に感じていることなんだと。≫

 確かに、芸術が、人を励ましたり、支えたりすることができると考えるなら、その要素は、凄い!とか、きれい!とか、よかった!等などと同じように、「身近に感じる」親近感という要素もあるのだとわかるのです。子どもたちに「美術には正しい答えはないよ」と解説する元連邦捜査官だった美術館ガイドおじさんの言葉通り、鑑賞者一人ひとりの感じ方は違うのですから。

  最後、一人になったドロシーが、もう収集をやめ、壁の絵も寄贈するとし、壁の絵が取り外されていきます。 そして、壁に最後に残った一枚の絵の画家は、だれあろう、夫ハーブの作品なのです。この夫婦の歩んできた収集の歴史こそが、部屋に入りきれなかったコンテンポラリーアート。

☆写真は、米国ニューヨーク マンハッタン 乗り物ガラス越しの写真。(撮影:&CO.T1)

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