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フィンランドの小人たち

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 「フィンランドの小人たち トントゥ」 
(マウリス・クンナス作 いながきみはる訳 猫の言葉社 偕成社)
(「彫刻家の娘」から続き)
(承前)
 フィンランドの絵本は、ムーミンだけではありません。
 「フィンランドの小人たち トントゥ」は、マウリ・クンナスの絵と文による、14話のトントゥの話です。

 トントゥは、家や納屋のどこかに住んでいる守り神の妖精です。大切に扱ってくれるところには、それなりのお返しを、粗末に扱うところには、それなりの見返りを。
 姿かたちもスェーデンの「トムテ」やノルウェーの「ニッセ」とよく似ています。個人的には、この絵本の絵の描き方より、ハラルド・ウィーベリ描く絵本「トムテ」「きつねとトムテ」*、シェル・E. ミットゥンの挿絵「スクルッル谷のニッセ」*のような絵が好みです。とはいえ、14の短いお話は、それぞれ楽しく、軽妙な絵は、短いお話と共に愉快なものです。

 その中の一つ、「こくもつトントゥとぼたん」
穀物小屋の屋根が雪でつぶれ、だれかが泣いていました。迷子と思ったペッカは、そりに乗るように言いますが、誰もいません。ところが、ペッカのサウナ小屋までくると、そりががたんと揺れ、誰かが降りたようでした。でたらめ言葉をいうのが好きなペッカは、「いったい、なんてこった。ぼたんのぼろぽろろ。トントゥがいたわけでもないだろうに。」・・・・すると、不思議なことに、サウナ小屋には、いろいろな物が増えて行きます。あるとき、荷物を背負ったトントゥにぶつかりそうになったペッカは驚いて「きゃあー、100万個のぼたんがぼんたったー。」と叫びます。朝になると、小屋中、ぴかぴかのボタンでいっぱいになっていて、ペッカはボタンを市場に売りにいき、お金をもうけたと言うお話。
(「フィンランド語は猫の言葉」に続く)

*「トムテ」ヴィクトール・リードベリ(詩)ハラルド・ウィーベリ(絵)山内 清子訳 偕成社
*「きつねとトムテ」カール・エリック・フォーシュルンド(文)ハラルド・ウィーベリ(絵)山内 清子訳 偕成社
*「スクルッル谷のニッセ」オーヴェ ロスバック(文)、シェル・E. ミットゥン(絵) 山内清子訳 金の星社
☆写真は、刺繍ボタン(撮影:&Co.H)

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