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みんなみすべくきたすべく

王子と乞食 1

473右ウェストミンスターj
 「王子と乞食」 
(マーク・トウェーン作 村岡花子訳 ロバート・ローソン絵 岩波文庫)
(「九日間の女王さま」から続き)
(承前)
 「王子と乞食」は、子どもの頃、ダイジェストで読んだり、話の大筋なら知っている人が多いお話だと思います。
 大人になって読み返してみたら・・・王子は、誰あろう。かのヘンリー八世の後継ぎ、少年王エドワード六世だった。実在の人!うへぇー。
文中に、ちゃんと、書いてます。
≪「お姉さまのエリザベスはお十六で、いとこのジェーン・グレイ姫は、わたしと同じ年だが、お美しくて、お心もたいへんやさしい人だ。けれどもメリイ王女のほうは、どうもさびしい顔ばかりして・・・。≫

 少年王エドワード六世は、病弱で15歳で亡くなったのが史実ですが、「王子と乞食」の設定では、さらに若く、(と、いっても少々年齢不詳)元気で、好奇心旺盛な少年王子として書かれています。

 「九日間の女王さま」が史実に基づいて悲劇のイメージを広げていったフィクションであるのに対し、この「王子と乞食」は、明るく大胆に、フィクションしています。王子が乞食という自分とはかけ離れた人生を交換するという奇抜さ。下々の者と関わり、経験を積む少年王。その経験があるからこそ、この早世の王の時代は、≪残酷な当時の世にあって、めずらしく仁政のおこなわれたときであった。≫と、マーク・トウエーンは、締めくくります。

 とはいえ、実際には、若い王様は、傀儡政権のもと、そばには、魑魅魍魎がうごめき、結果、レディ・ジェーン・グレイの悲劇を生み、メアリー一世、エリザベス一世と繋がっていくのでした。
 
 岩波文庫の「王子と乞食」の挿絵は、ロバート・ローソン。そう!「はなのすきなうし」等*の画家です。
 もう一冊の「王子と乞食」は、挿絵が、とーっても多い。( 「王子と乞食2」に続く)

*「はなのすきなうし」マンロー・リーフ文 光吉夏弥訳 ロバート・ローソン絵 岩波
*「おかのうえのギリス」マンロー・リーフ文 こみやゆう訳 ロバート・ローソン絵 岩波
*「りこうすぎた王子」アンドリュー・ラング作 福本友美子訳 ロバート・ローソン絵 岩波少年文庫
*「ホッパーさんとペンギンファミリー」R&Fアトウォーター著 上田一生訳 ロバート・ローソン絵  文溪堂

☆写真右手奥時計のあるのが、英国歴代王・女王の戴冠式が行われてきたウェストミンスター寺院 左セントマーガレット教会(撮影:&Co.T)

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