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リチャード三世

          470ロンドン塔j
 新聞等に「リチャード三世の遺骨確認」(2013年2月5日日経朝刊)とありました。
  英国のリチャード三世(1452~1485)が埋葬されていたとみられる教会自体が取り壊され(1530年代)、不明だったらしいのですが、近年になって、今は駐車場となっていた場所を掘り起こすと、教会の遺跡と共に、リチャード三世の遺骨も出土、そしてこの度、鑑定後、確認。遺骨は、歴史の記述どおり、背骨が著しく湾曲している特徴を持ち、矢が刺さり、頭蓋骨には刀による損傷(殴打痕)があって、戦闘で死亡、とのこと。
 
ふむ、ふむ、そうなんだ。

 映画「もう一人のシェイクスピア」で、ロンドン・グローブ座の俳優、Mark Rylanceが、背中の曲がったリチャード三世を演じていましたが、この「リチャード三世」の戯曲は、当時、市民から嫌われていたロバート・セシル(1563~1613)というエリザベス一世時代の宰相が、リチャード三世と同じような体つきだったところからも、大衆劇として、深い意味を持つようです。

 シェイクスピア描くところの「リチャード三世」はともかく、悪人です。
 エドワードや、ヘンリーや、同じ名前や同じようなカタカナ名前のつく、人物が複数出てきて、日本人には、なかなかなじみにくい人間関係ではありますが、やっぱり、面白い。
 特に、エリザベス(あのエリザベス1世ではなく、ヘンリー六世の未亡人)と、リチャード三世が、言葉の応酬をする場面は、圧巻です。罵詈雑言、奸智術数。言葉のみで変化していく人の心。かなりの長丁場です。生の舞台でこの場面を見たら、まちがいなく、ぞくぞくすると思います。
 
 リチャード三世の最大の悪事は、まだ幼い二人の王子をロンドン塔に幽閉し、殺害したことだと言われていますが、
シェイクスピアは、「リチャード三世」で、幼いエドワード王子に、こう言わせます。
「ほんとうのことは、子々孫々に語り伝えられ、時代を越えて生き続けるものでしょう、最後の審判の日にいたるまで?」

恐るべし、シェイクスピア。(「倫敦塔」に続く)

*「リチャード三世」(シェイクスピア 小田島雄志訳 白水社Uブックス)

☆写真は、シェイクスピア「リチャード三世」の舞台の一つ、英国ロンドン塔。(撮影:&CO.H)

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