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「レ・ミゼラブル」福音館古典シリーズ

446井戸j
 恥ずかしながら、岩波文庫全4冊の「レ・ミゼラブル」は、読了していません。多くの挿絵を楽しんだだけです。本題に近づく術だとわかっていても、本筋とかけ離れている記述が多い大長編は、私の読解力ではついていけない文学の一つです。今回、映画「レ・ミゼラブル」のおかげで、近づくことができるかも・・・です。

 じゃ、「レ・ミゼラブル」の何を読んでいたか?
 大昔、子どもの頃は、多分、児童向きダイジェストの「ああ、無情」だったと思います。ジャン・バルジャンという響きのいい名前は、当時から、今に至っても、しっかり心に留まり、学生の革命のところは、記憶にないのに、ミリエル司教と銀の燭台のエピソードは、子ども心に記憶されています。

 大人になって、原作にチャレンジするも、挫折。ところが、1996年に福音館古典シリーズの「レ・ミゼラブル」(上下)が出版され、そのおかげで、児童向けのものとはいえ、「レ・ミゼラブル」の世界を知りました。

 福音館古典シリーズの訳者は、かの「制作」(ゾラ)「海底二万海里」「神秘の島」(ベルヌ)の清水正和先生です。あとがきに、こうあります。
≪・・・本書はもちろん原作の全訳ではありません。なにしろ原作は原稿用紙で4千枚を超える超大作です。おまけにユゴー自身も『余談』と言っていますが、物語の本筋からはなれた話、つまり現在からみれば作品準備段階の基礎資料といえるものを、いたるところに織りこんでいます。例えば、『ワーテルローの戦い』とか『修道院の歴史』の記述、『パリの地下水道』の話、民衆の使っている『隠語の歴史』の研究などです。これらの余談自体、歴史的に、また社会学的にきわめて興味深く、物語の進展を土台から支える要素となっているのは確かですが、一般的にはやはりわずらわしいものです。したがって、余談からはごく必要なエッセンスだけを抜粋するにとどめました。そして、物語の骨格部分はほとんど省くことなく訳し、量としては原作の半分弱にしています。・・・≫
 というお言葉に甘え、今や「レ・ミゼラブル」を、読んだかのようにふるまっています。
 とはいえ、限りある人生、ミリエル司教のことを書いた「第一巻 第一章 正しい人」の115ページ分から、ちゃんと、読まねば…(「原作の持つ力」に続く)

*「制作」上下 (エミール・ゾラ 清水正和訳 図版あり 岩波文庫)
*「海底二万海里」(ジュール・ヴェルヌ 清水正和訳 A・ド・ヌヴィル絵 福音館)
*「神秘の島」上下(ジュール・ヴェルヌ 清水正和訳 J.フェラ絵 福音館)
*「レ・ミゼラブル」上下(ヴィクトル・ユゴー 清水正和訳 G.ブリヨン絵 福音館)

☆写真は、パリ クリュニー中世美術館 庭の井戸の滑車。

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