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みんなみすべくきたすべく

クリスマス・キャロル

428クリスマスプディングj
 ディケンズの「クリスマス・キャロル」で、スクルージーの甥のボブ・クラチット家でのクリスマスの大騒ぎは、何度、読んでも楽しいです。

≪・・・クラチット夫人は、―――真っ赤な顔で、得意そうににこにこしながら―――プディングをかかげて戻ってきました。大砲の弾のようにまん丸で、まだら模様がついていて、しっかりと中身が詰まっていて、ほんのちょっぴり振りかけたブランディが、ゆらゆらと炎をあげていて、てっぺんには、クリスマスのヒイラギが突き刺してあるプディングです。おお、なんとすばらしいプディングでしょう!ボブ・クラチットは、結婚以来クラチット夫人がおさめた数々の成功のうちでも、これこそが最大の成功にちがいないと、穏やかに断言しました。・・・≫(脇明子訳 岩波少年文庫)

 クラチット夫人は、このプディングが壊れてしまわないか、分量は合っていたか等と、思いめぐらしながら、テーブルに運びます。そして、そんな気持ちを重々承知のボブ・クラチットさんの最大級の誉め言葉。
 大騒ぎに眼を奪われがちなこんなシーンにある、気遣い・・・人を思いやる心・・・それこそが、クリスマスの精神だと思います。

 かのジョージ・オーウェル(1903~50)も、チャールズ・ディケンズ(1812~1870)について、熱く、しかも興味深い視点で長文*を書いています。つまり、オーウェルの奨励する「クリスマスの羽目外し」と、クラチット家の大騒ぎは、無関係ではなさそうな気がします。(続く)

*「オーウェル評論集」(小野寺健編訳 岩波文庫)
☆写真は、ブランデーをかけ、炎がきれいなクリスマス・プディング。濃厚なお味、ラムバターを添えて、いただきました。

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