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エル・グレコ展

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 昨日、スペインのスルバランについて触れたものの、スペインの美術についても、よく知りません。ピカソ、ベラスケス、ゴヤ、ダリ、ミロ、それにガウディ・・・そして、スペイン人画家と信じていたエル・グレコの描く少々面長すぎる顔、引き延ばされたようなプロポーション、好みで鑑賞というより、気になって、行って見ました。(~2012年12月24日@大阪 国立国際美術館)

 この展覧会は、エル・グレコばかり、よくこんなに集めたね、というのが第一の感想です。そして、エル・グレコは、スペインのトレドで大半を過ごすものの、イタリアでも修業をし、実は、ギリシャ人だったということにビックリ。だから、スペイン語でギリシャ人「エル・グレコ」。知らなかった・・・・

 肖像画とともに、さらに宗教画が多く、宗教心のない者には、単調でしたが、素人なりに考えたことが・・・。(すでに学問的には言い古されているのだろうけれど)現代は、宗教画を展示していると、直立した時の目線で見ます。ところが、教会の建物は大きく絵が上部にあるとしたら、下から見上げたとき、その面長や、縦長の構図は、天につながるように見えるかも・・・それに、ひざまずいて祈る者たちが見るとしたら、やはり、目線はもっと下から上を見上げる・・・一番背の高かった「無原罪のお宿り」(347×174)など、離れて見てちょうど全体が見えましたからね。

 私は、クリスチャンでも何でもありませんが、ヨーローッパの古い教会に入ると、そのステンドグラスから入る光の美しさに心うたれ、神妙な心持ちになります。おお、天使が舞い降りてくる!また、冷え冷えとした教会で、天から響いてくるような教会クワイア(choir)や、足元から身体に入りこんでくるパイプオルガンの音を、体験すると、ちょっと、くらくらっと宗旨替えもありかも?などと思ってしまいます。
 というような、様々、教会の環境効果(?)の一つとして、エル・グレコの宗教画を捉えると、下から見上げ天に向かう面長な絵にちょっと納得がいきました。

 で、一番興味をひかれたのが、ヴァザーリの「美術家列伝」(1568)*等の余白にエル・グレコが書き込みをしていたという事実。凡人が書き込みをしたら、本の値打ががくんと下がるのですが、そこはさすがに書き込みまでが、価値あるものに。で、人体比例については、こう書き込んでいるらしい。「コンパスを手にして測るのではなく、視覚で測ることが大切なのだ。手は働くが、判断するのは目だからである。」**ふーむ。

*【「美術家列伝」】「芸術家列伝1~3」(ジョルジョ・ヴァザーリ著/平川 祐弘、小谷 年司 田中英道  森雅彦訳 白水社 2011年ヴァザーリ生誕500年記念出版)
*「ルネッサンス画人伝」ジョルジョ・ヴァザーリ著/平川 祐弘、小谷 年司 田中英道 訳 白水社)
** 「プラドで見た夢」≪天上的狂気――エル・グレコの章≫(神吉敬三著 中公文庫)

☆写真は、エル・グレコ「無原罪のお宿り」のカード。

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