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A Cup of Water and a Rose on a Silver Plate

              346スルバランj
(2012倫敦巴里42)
(承前)
 ロンドン ナショナルギャラリーには、好きな絵がたくさんあります。その一枚が、スペインの画家、スルバランの「A Cup of Water and a Rose on a Silver Plate」です。この美術館の中では、かなり小さな絵です。静かに鑑賞者を待っている。そんな絵です。

 この絵を知ったのは、「英国 オックスフォードで 学ぶということ―今もなお時が豊かに積もる街」というエッセイを読んでからです。この本は、画家である著者がオックスフォードで学ぶと言う至福の時を過ごした経験が、書いてあります。そして、「A Cup of Water and a Rose on a Silver Plate」のこと。
 ≪・・・階段を上がって正面のホールから左の部屋へと続く扉をあけると、顔見知りの懐かしい絵が次々と現れる。ああ、この絵も、あの絵もここにあったのか。古い友人に出会ったような、安堵する気持ちがする。まず、全体をざっと眺めようと、足早に次々と部屋を横切り、三室目か四室目に入ると、右手正面の壁にかかっている小さな絵が強烈な力で私を惹きつけた。こんなところにスルバランがある! 
 それは、本当に、両の手でそっとささげられるほどの小さな絵で、白いテーブルに白っぽい皿、水の半分ほど入ったコップ、ほんのりと薄いピンク色のばら、そして壁は漆黒。薄いピンク色の他は、いっさいが無彩色の静謐な絵である。絵の脇に小さく「ナショナル・ギャラリーにごく最近所蔵された」と記してあった。・・・・≫
 
 この箇所を読んで以来、いつも、ロンドン ナショナル・ギャラリーに行けば、会いに行く絵ですが、一度、どこかに貸し出されていた年がありました。約束していた友人と行き違ったまま、会えなかったような気持ちでした。

*「英国 オックスフォードで 学ぶということ―今もなお時が豊かに積もる街」(小川百合 講談社)

☆写真は、「英国 オックスフォードで 学ぶということ―今もなお時が豊かに積もる街」の見返しに著者が描いたオックスフォードの地図の上に「A Cup of Water and a Rose on a Sliver Plate」のポストカードを置きました。光沢紙のポストカードに、そばのステンドグラスの影が写っています。

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