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京薩摩

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 日本の小さな美術館にも好きなところがあります。
京都、清水三年坂美術館は、とても小さな美術館で、常設は幕末・明治の名宝―金工・七宝・蒔絵・彫刻となっています。現在の特別展は「京薩摩」。(~2012年11月18日まで)
 すごーい。こまかーい。丁寧!
拡大鏡が、作品の上にあるので、かろうじて、その細かさの技巧がわかります。
拡大鏡でも、かなり丁寧に見ないと、まだ見落とすくらい細かい超絶技巧もあります。
「蝶図・・・鉢」と書いてあるのに、鉢の外には人物図。内側は、細かいドット。おかしいなぁ、どこに蝶?と目を凝らして拡大鏡をよくよく見て見ると、ドットと思っていた点が「ちょうちょ!」老眼鏡と拡大鏡の焦点を合わせて、もう一度、他のも見なおしましたよ。

 本薩摩と言われる薩摩焼が、パリ万博(1867年)で好評を博し、西洋のアールヌーボーの作品にあやかって、ウィーン万博(1873年)に、金彩色絵の薩摩として再出品したらしいのですが、そもそもKATAGAMI展のときも、もとはといえば、アールヌーボーのイメージの源泉は、日本。逆輸入の世界ですね。写真広報誌右の花瓶。
また、実際に使われていたらしく、茶しぶのついた、ティーセットもありました。

 セーブル焼きを模したと言われるあのコバルトブルーのものも、セーブルを凌駕してありました。こまかーい。
 ああ、それにしても、こんなに手の込んだ焼き物が、外貨獲得のために、輸出用として作られ、今とは違う貨幣価値でどんどん輸出されていたのですね。痩せっぽちの職人さんたちが、心血を注いで作った、無名の作品たちが、今もどこかの貴族やお金持ちたちの家で、愛でられていたら、職人さんたちも本望ですが、どうでしょう。

 この京薩摩は、大量生産品の出回る前、数十年の間に時代は工芸から工業に移り、意匠のマンネリ化もあって、衰退していったと説明にありました。確かに、こんなに手の込んだものを誰でも、手にとって愛でるわけにはいかないし、余りにも絢爛豪華なので、好みもあると思います。が、しかし、明治や、それ以前の職人さんたちの技とセンスは、半端じゃありません。
 前回展示の並河靖之という七宝作家のときも、その超絶技巧に絶句しましたが、今回も本当に絶句。明治の職人さんたちの凄さを、また目にしました。 

 狭い土地でコンパクトに、すっきり生きて来た日本。大きな土地で装飾過剰気味に「力」を誇示してきた西洋のお金持ちたち。まだまだ、倫敦巴里報告は続きます。
 
***実は、この展覧会に行ったのは、倫敦巴里に行く2日前。文を書いたのは、次の日でした。このまま倫敦巴里報告が続いたら、各々の会期も終わってしまいそうなので、途中でいれました。

***なお、並河靖之秋季特別展は、京都地下鉄東山駅近くの「並河靖之七宝記念館」で、こじんまりとやっています。春と秋の二回だけ、作品とお庭を公開しています。(~2012年12月9日まで)

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