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みんなみすべくきたすべく

よくぞ、言ってくれました。(その2)

           254エゾジカj
 (承前)
  「今ファンタジーにできること」の「子どもの本の動物たち」の章にも、よくぞ言ってくれました。があります。
この熱のこもった論考は、「バンビ」について語るとき、より熱を帯びます。

「・・・『バンビ』というタイトルを読んで、眼球の肥大したキュートなスカンクたちが目に浮かぶ人がいたら、ディズニー病にかかっている。ぜひとも、フェリークス・ザルテンが書いた原作を手に取って、読んでいただきたい。・・(中略)・・ディズニー映画の記憶とともにこの本を手にとったら、この厳密なリアリズムに驚くだろう。映画はその輝かしさと魅力にもかかわらず、あらゆるレベルで原作を裏切っている。ザルテンが本物の動物の観察をもとに書いているのに対して、ディズニーはかわいらしさやステレオタイプや決まり文句を利用する。ザルテンが野生動物の生活とはどのようなものであり、その中で人間がどのような役割を果たしているかを示そうとして、簡潔な言葉でくっきりと暴力を描きだすのに対して、ディズニーは劇的効果を高めるために、ほくほくとして恐怖や暴力を用いる。それには、神経や感情に直接的な衝撃を与える以上の意味はない。・・・・」
「これは見事な本だ。観察にも感情にも真実味があり、心をかき乱す、簡潔で繊細な本だ。」

 よくぞ、言ってくれました。パチパチパチ 
 眼球の肥大したキュートなスカンクたち!かわいらしさの利用とな!

 ザルテンの「バンビ」は、本物です。子どものために媚びたりしません。本物を知る権利を持つ子どもたちに、ぜひとも出会ってほしい。しかしながら、今、日本の大人たちは、この本を読了できる子どもたちを育てているだろうか。

*「バンビ 森の生活の物語」フェリークス・ザルテン 高橋 健二訳 岩波少年文庫
*「バンビ 森の、ある一生の物語」上田 真而子訳 岩波少年文庫
☆写真は、エゾ鹿(撮影は&Co.A)

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