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駅ナカ書店で買った「本の運命」

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  待ち合わせの時間まで、まだ時間があるのに、本を持ってくるのを忘れた!・・・で、軽い文庫本を、と思って、1コインで買ったのが井上ひさしの「本の運命」 (文春文庫)。
 大仰なタイトルに比べて、軽妙な文章。時間を調整している間に半分くらい読んでしまいました。購入の決め手は、「子どもの本」のことが書いてある章が目次に見つかったからです。

 洋の東西を問わず、どんな著名な文化人や芸術家でも、その人が、子どもの本に、どんな思いを持っているかに、とても興味があります。いわゆる「おんな こどもの」と、切ってしまうような「奴」は、大したことないという基準を自分なりに持っているからです。子どもの頃の読書経験だけを問うのではなく、未来を担う子どもたちの本のことをどう考えているのか。

  さて、井上ひさし氏は、「ディヴィッド・コッパーフィールド」*で寝食を忘れ開眼、「オタバリの少年探偵たち」*や「ふくろ小路一番地」*を特筆。そうそう、いい調子!この三冊は、三冊とも、カ・リ・リ・ロも大好物。
「感想文を廃止せよ」という小題もふむふむ。「外国の子ども図書館に驚く」や「次の世代に伝えられる知恵」等、 子どもたちを図書館に引きつけようとする外国のレポートも興味深いものでした。

 特に、『図書館のリファレンス・ボランティアをしているおじいさん、おばあさんたちが、子どもたちがものを調べるときはどうするかという知恵を教えてゆく』と言う例の紹介は、考えさせられました。≪・・・・おじいさん、おばあさんたちが一生かかって得た自分の知識、知恵を、書物の記述を介しながら子供たちに返してやるんですね。・・・・≫
  インターネットで簡単に検索するだけでは、「ものを調べる」ことができたとしても、「ものを調べる知恵」がついたとは言えません。

  この文庫本には、図書館の本を売り飛ばし換金するといった行為もでてきて、丸呑みできない箇所もありましたが、井上ひさしが、「本と運命」を共にした人だというのはよくわかりました。

*「ディヴィッド・コッパーフィールド」チャールズ・ディケンズ(中野好夫訳 新潮文庫 石塚裕子訳 岩波文庫)
*「オタバリの少年探偵たち」(C.D.ルイス 瀬田貞二訳 アーディゾニ絵 岩波少年文庫)
*「ふくろ小路一番地」(イーブ・ガーネット文・絵 石井桃子訳 岩波少年文庫)

☆写真は、ロンドン サウスケンジントン フランス人小学校の図書室(地下鉄駅3分。大通りに面しています。閉まっていたのでガラス越しに撮りました。)

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