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みんなみすべくきたすべく

ぐりとぐら

173マイエンフェルトj
 日経夕刊「人間発見」のシリーズで、2012年7月2日~6日まで5回連載されたのが「子どもと本に教わった」の中川李枝子さんでした。

 保母さんだった中川李枝子さんが、当時、園で一番人気があった絵本「ちびくろさんぼ」*のホットケーキを作り、子どもたちがとても喜んだ経験をします。そして、「ホットケーキよりもっといいもの」と浮かんだのが、とびきり上等のカステラで、そうして生まれたのが、のねずみが森の友だちに、カステラをごちそうする話「ぐりとぐら」だったのです。(2012年7月4日日経夕刊)
 
 「ぐりとぐら」は、日本人作家の作った数ある絵本の中でも、今後も子どもたちが読み継いでいく1冊だと思います。青い服と赤い服。卵。自分たちで料理する。歌う。みんなで食べる。最後に作ったものは?・・・子どもたちにわかりやすく、子どもたちが大好きな要素が、この一冊の中に満ちています。みんなで食べるシーンでは、「いやいやえん」のおおかみや、やまのこぐちゃん、他にも、らいおんみどりや、けんた・うさぎも出てきて、楽しみを繰り返すことができます。

「かすてらを つくっているんでしょう!とっても いい においがするもの」

 実は、大学生の頃、幼稚園実習5週間に行きました。その総仕上げのとき、実習生たちで、「ぐりとぐら」の人形を作り、脚本を書き、メロディを作り、人形を動かし、歌いました。今でも、そのメロディが、ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐるり。

「ぼくらのなまえは ぐりとぐら このよで いちばん すきなのは おりょうりすること たべること ぐり ぐら ぐり ぐら」

 連載「子どもと本に教わった」の4回目の最後で、中川李枝子さんはこう言います。
 ≪・・・大人の本も子どもの本も本質は変わらないと思います。トルストイは「優れた芸術の3条件として「新鮮」「誠実」「明快」を挙げています。何度読んでも新しい発見や感動がある。心に残って成長の糧になる。そして相手にわかりやすく伝わる。これは音楽にも美術にも通じると思います。子どものまわりにはいつも最良のモノを置くのが、みどり保育園の天谷先生と私の保育理念でした。≫(2012年7月5日日経夕刊)

*「ちびくろさんぼ」
(ヘレン・バンナーマン文 光吉夏弥訳 フランク・ドビアス絵 岩波)
*「ぐりとぐら」(中川李枝子文 おおむらゆりこ絵 福音館)
*「いやいやえん」(中川李枝子文 子どもの本研究会編集 大村百合子絵 福音館)
*「らいおんみどりのにちようび」(中川李枝子文 山脇百合子絵 福音館)
*「けんた・うさぎ」(中川李枝子文 山脇百合子絵 のら社)

☆写真は、スイス、ハイジの舞台マイエンフェルト。
「ぐりとぐら」に、まったく関係なさそうな写真ながら、ほんの少しは繋がっているかもしれません。以下は、「本・子ども・絵本」(中川李枝子著・大和書房) (『岩波少年文庫と私』)より
≪・・・ある日、母が目を赤くして子ども部屋にあらわれ、「ハイジには泣かされましたよ」と、『ハイジ』(スピリ作 竹山道夫訳)を本棚に返していったことがありました。・・・・・母は、子どもが五人いようと、情操教育のおかげか、本を読む暇ぐらいは持っていましたし、戦争で中断していた趣味の習字も再びやり始めていました。・・・・・≫

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