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バッタさん

           166スイス花畑j
 『虫愛ずる姫』(堤中納言物語)とまではいきませんが、子どもの頃から、結構虫は嫌いではありませんでした。(ただし、ゴキブリ以外)
 これは、多分、父親が昆虫好きで、大きな網を持って、信州や、遠く台湾まで蝶を捕りに行ったりしていたことに関係すると思います。また、凝り性の父親は、標本作りも得意で、結果、亡くなったとき、某昆虫館にギフチョウ等の標本を寄贈させていただきました。こちらは、まったく似ませんでしたが・・・
 すごく幼い頃、父と草むらに、バッタ捕りに行って、面白いように捕れたのは、今でも、はっきり覚えています。バッタは、前から捕まえるという単純さに、はまったのです。そして、それは、年経て、花を育てるときに、花にやって来る害虫たちを撃退するテクニックにつながりました。

 「バッタさんのきせつ」 
(エルンスト・クライドルフ作 佐々木田鶴子訳 ほるぷ)

 「バッタさんのきせつ」は、クライドルフ作です。現在も、これからしばらくも、東日本では、クライドルフ展が開催されるようですが、西日本は残念ながら、この新刊(といっても、1930年刊)と、福音館の復刊「ふゆのはなし」「くさはらのこびと」で楽しむしかありません。何冊かは、ほるぷや童話屋から出版されていましたが、今は出ていません。

 スイス生まれのクライドルフは、体調を崩してからはアルプスのふもとの村で暮らすようになり、アルプスの自然を、その絵本の中に丁寧に描きました。特に、大きな自然の中の小さな生き物に対する、確かな観察眼。図鑑のように、小さな生き物たちを描ける画家は、いくらでもいるでしょう。それが、彼の手にかかると、ぴったり最適な擬人化となり、本当らしく、生きる友人となって行きます。絵本は、図鑑ではありませんから、お話とともに、生きる絵が必要なのです。
 以前、クライドルフの「アルプスの花物語」などにでてくる花と、実際の花の写真と比べて見たことがあります。ほとんどが、実際の花と特定できました。多分、全部、特定できる草花なのでしょう。

『おくさんたちのボーリング』(「バッタさんのきせつ」より)
≪バッタのおくさんも ボーリング
ボールをかまえるのも のんびりと
ピンにあたらなくても へいきなの
それより おしゃべりがだいじだから≫
 この詩の前には、『ボーリング』という詩が出ているのですが、男のバッタさんのボーリングの構え方と、おくさんの構え方を見比べるだけでも、楽しいです。バッタさんは、左から二番目のバッタさんが特にかっこいい。奥さんの方は、今から投げようとする左利きの奥様の構えが、力強くてOK!(力こぶあります)

*「くさはらのこびと」「ふゆのはなし」(クライドルフ作大塚勇三訳 福音館2012年5月復刊)
*「アルプスの花物語」(クライドルフ作 矢川澄子訳 童話屋)

☆ 写真は、6月のスイス グリンデルワルト(撮影:&Co.A)

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