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ケンブリッジのバッタ時計

      125バッタ時計j
「海時計職人ジョン・ハリソン」
(L・ボーデン文 片岡しのぶ訳  E.ブレグバッド絵 あすなろ書房)
 副題に「船旅を変えたひとりの男の物語」とあります。
 人々は、何百年もの間、現在地を知ることなく航海していたのである。18世紀、この男ジョン・ハリソンが出現するまでは・・・
 
 不屈の精神で、ジョン・ハリソンがやり遂げたのは、航海中も誤差のない時計を作りだしたことでした。波で揺れしまう「振り子」のない時計です。一生をかけて作り上げたものは、海の波をかぶるより、世間の大波にもまれ、一筋縄では認められませんでしたが、その優れた考えは、今も時計の基礎となっています。
 この絵本は、その丁寧で細かい描き方で、時計の細かい世界だけでなく、当時の英国の風景や風俗も描いていて、すみずみまで楽しめます。
 巻末には「その後のお話」も記載されていて、その後の時計がどうなったかも示してくれます。そして、最後に、ジョン・ハリソンを支えてきた息子のウィリアム・ハリソンが1764年2月に経度評議委員会あてに書いた手紙の一文が載っています。
「すでにできている道をたどるよりも、道なきところに道をつくるほうがはるかにむずかしい、とはよく知られていることであります」

 さて、この絵本のその後もあります。
 今回の写真は、ジョン・ハリソンに敬意を表して、ケンブリッジ大学出身の現代の時計職人ジョン・テイラー氏が、巨費を投じて作った振り子のない時計です。ジョン・ハリソンが動く機械のことを考え始めるきっかけとなったのが、村の牧師さんの貸してくれたケンブリッジ大学の数学のノートだったことから考えても、振り子も針もない!この奇妙な時計が、ケンブリッジにあるのは、当然のことです。針は、金色の部分に刻まれた溝のところが青く光って時間を読む仕組みなっているそうです。この写真にも、なんとか写っています。(およそ12の位置と3のちょっと下。)また、上にいるバッタは、ジョン・ハリソンさんの開発したgrasshopper escapement(バッタ式調速機構?)に敬意を表しているようです。

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