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阿修羅のジュエリー

≪「阿修羅像」から続き≫
「阿修羅のジュエリー」(鶴岡真弓著 イーストプレス)
(承前)
 さて、そんな私の秘めた想いを、違う角度で楽しませてくれた本が「阿修羅のジュエリー」でした。
著者の鶴岡真弓氏の本は、かつて、「ケルト/装飾的思考」*「聖パトリック祭の夜 ケルト航海譚とジョイス変幻」*「ケルト美術への招待」*、また、氏が監修した「ケルト 生きている神話」*など、続けて読んでいた時期があって、久々に読む「阿修羅」の本は、どんなだろう?と、手にとったわけです。(氏は、「装飾する魂 日本の文様芸術」*という、日本の装飾についての本も書かれている美術史家です。)
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「阿修羅のジュエリー」は、若者向きに書かれた本ゆえに、くだけた書き方や装丁、ふりがなのうち過ぎが、かえって読みにくい難点があるものの、一本の論文としても通用する充実の内容です。
東洋から西洋、花と光、ラヴェンナの皇妃テオドラと天平時代の光明皇后、ボッティチェッリの美しきシモネッタやモローのサロメ、ミッシャやフェルメール・・・きっと、今後、仏像を見るとき、絵画を見るとき、今までと違った見方もできるようになっていると思います。
そして、文中、「東洋への憧れ」の項の中で、筆者がこう仮説するのですが、こんな仮説は好きです。【阿修羅の合掌の手にも隙間があって、いままさに手を合わせようとしているポーズといわれているのですが、もしかしたら、阿修羅もなにかしら宝石を手で包み込んでいたのかもしれませんね。】
≪「装飾する魂」に続く≫

*「ケルト/装飾的思考」(ちくま書房)
*「聖パトリック祭の夜 ケルト航海譚とジョイス変幻」(岩波)
*「ケルト美術への招待」(ちくま新書)
*監修「ケルト 生きている神話」(フランク・ディレニー著 森野聡子訳 創元社)
*「装飾する魂 日本の文様芸術」(平凡社)

☆写真は、英国コッツウォルズ ケルト十字のそばにピンクの薔薇が咲いています。

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