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みんなみすべくきたすべく

子どもの本でちょっとお散歩(川 その12)

106ボストン池j
 
「かもさんおとおり」
(マックロスキー 渡辺茂男訳 福音館)

ボストン、チャールズ川の水辺のしげみのなかに気持ちのよい場所を見つけて巣を作ったのは、マラードさんご夫婦でした。
これまでも、「かもさんおとおり」の楽しさは、いろんなところで書いたり話したりしてきましたが、この絵本を初めて読んだ時から、40年たっても、いつも新鮮な気持ちで楽しめる1冊です。
末っ子のクワックが、いつも遅れて、気になる存在であるのは、相変わらずです。
実は、お母さんも、けっこう、注目なのです。
街を自慢げに歩いている時以外、一列に並んで歩いていたり、泳いだりするときのお母さんの目線は、常に、ちらりと後ろに流し眼です。やさしい視線の先には、子どもたち。お母さんの歩き方も、子どもたちのよちよち歩きとは違います。爪先から歩く、エレガントさ。
そして、「よるになると」と最後のページにあります。それまでと同じモノトーンの絵ながら、夜の帳を降ろした様子がよくわかります。橋の上につくガス灯のほんのりした明るさまで伝わってきます。

作者のマックロスキーは、実際にカモを飼い、つぶさに観察し、この絵本を作りました。ボストンの街や川や公園の池もずいぶんスケッチしたのでしょう。多分、街角の本屋さんもチャールズ通りの鍵屋さんも、そのままあったのでしょう。それで、もしかしたら、今もそこに見つけ出すことができるかもしれません。というのは、今回の池の写真でも、絵本が描かれた頃(1941年出版)と、大きく変わらない風景の写真が撮れているからです。この写真は、&Co.T1が2009年にボストンで撮ったものですが、池の大体どこに立って写真を撮ったか、絵本を見たらわかりそうです。マラードさん達の子孫も、うまい具合に写真におさまっています。

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