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木という漢字

           83芹沢j
先日、芹沢銈介(1895~1984)の型染めの展覧会に行きました。
 琉球の紅型(びんがた)に影響を受けた作風は、明解で温かく、身近に置いておきたい、あるいは身につけたい作品が多かったです。日本の手仕事の「美」を見つけ出す民芸運動の柳宗悦に師事した芹沢の仕事は、斬新でモダンです。すっきりとしたそのデザインは、今も新鮮で古臭い感じがありません。
 写真のポストカードは、「木」という漢字の中に、木の実をかじるリスと、フクロウと鳥などが型染めされています。この「木」の文字について、「芹沢銈介の文字絵・讃」(杉浦康平+芹沢長介 里文出版)の中で、こう書かれています。
 ≪木の文字には、沢山の鳥たちが集い、憩っている。蝶々さえも飛んでくる。こんもりと茂る木の姿が想い出される。・・・・・(中略)・・・・・漢字は自然の中から抽出され、自然の姿を写しとって産みだされた記号である。つまり、抽象性を持っている。だが、漢字は、その身振りにほんの少し手をかけて押しもどすと、いつでも自然の中に還りうる…という、「回帰する力」を隠しもつ。それを取り出して、漢字を絵の世界、自然の姿へと戻してみよう…。芹沢さんが、文字の姿をそのように捉えていることがよく分かると思います。≫

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