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ローズ・ベルタン

       98ジヴェルニーj
「ローズ・ベルタン -マリー・アントワネットのモード大臣― 
(ミシェル・サポリ著 北浦春香訳 白水社)
シャムロック・ティーから続き≫
(承前)
 「シャムロック・ティー」の100章分の色名のついた章題もさることながら、何でも色名をつけずにはいられない、マリー・アントワネット(1755~93)お抱えの服飾係りローズ・ベルタンが、名付けたこだわりの色名もちょっとびっくり。
 ≪「男のげんこつ」「ミドリゲンセイ」「カナリアの尾」「ロンドンの煙突の煤」「軽はずみな涙」「ヒキガエル」「ひそかなため息」「淡い硫黄色」「ニンフの太腿」「鳩の喉」「気どり屋の中身」「煙突掃除夫」「カルメル会修道女のバラ」といった色名があった。どの色も、さらにさまざまな色調に展開され、たとえば黄色は木、シャモア、黄金、栗、ナンキーン、オレンジがかった、ブーツの内側、錆、カナリア、キンセンカ、牝鹿の腹、緑がかった、など。緑ならば、淡い、キャベツ、水面、ローリエ、海の、ぼかした、インコ、ピスタチオ、りんご、春、ザクセン、アメリカ、イギリス、ガラス瓶、アヒルなど。≫

 平民出身の一女性が、どうやって、マリー・アントワネットのお気に入りになり、当時のフランス上流階級女性の流行を生み出し、終わったか。マリー・アントワネットのファッションへの浪費三昧が、彼女を断頭台へと導く一端となり、その彼女の最期の衣装を用意したのが、このローズ・ベルタンだったという事実。
 本の前半は、奇妙な流行を作り出すメカニズムとおバカな女たちを読んでいるのですが、後半は、マリー・アントワネットの最期が近づいても、彼女の元に通い、最後は自分自身も困窮していったローズ・ベルタンの運命に、今まで知らなかったフランス革命を読みました。
 それにしても、いろんな色の名前があるものです。個人的には、日本の色の名付け方が好きですねぇ。東雲色、曙色、萌黄、鈍色、漆黒・・・・(「アルノルフィーニ夫妻肖像」に続く)

☆写真は、フランス ジヴェルニー モネの庭 (撮影:&Co.T2)

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