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子どもの本でちょっとお散歩(川 その10)

キューピッドとプシケーj
「キューピッドとプシケー」  
(ウォルター・ペーター文 エロール・ル・カイン絵 柴鉄也訳 ほるぷ)

 世にも美しいプシケーと彼女を愛するキューピッド、プシケーの美しさに嫉妬し、プシケーを追い詰めていく、キューピッドの母ヴィーナス。ギリシャ神話から続く、嫁姑問題とも言える話に、ル・カインの世紀末風妖しい曲線美が、魅力的な絵本です。あえて、モノクロの画面で、その情念の世界を表していると思います。デンマーク出身の画家、カイ・ニールセンや、英国の世紀末、夭折の画家オ―ブリー・ビアズリーを思い出させる画面です。

 「プシケーは大地に倒れたまま、夫の飛び去る姿を見送り、嘆き悲しみました。そして、夫の姿がまったく見えなくなると、そばを流れていた川へ身を投げました。でも、川の流れはキューピッドのためにプシケーを傷つけることなく川岸へ優しく運び返したのです。」
 ・・・ラッキー!な命拾いをするプシケーですが、今度は、愛するキューピッドの姑のヴィーナスの無理難題から、逃れようと、また川の深みに身を投げようと考えます。・・・ところが、「身投げなんかしてこの川をよごしたりしないでくださいね。」と、川のアシに注意されるのです。そして、また難題。「あのけわしい山の頂が見えますね。あそこから流れ出る暗い川は黄泉の国をうるおし、やがては三途の川であるコキュタス川に合流します。さあ、行ってこの小さな壺にその源流をくんでらっしゃい。」・・・・ところが、岩の上に立ち、困り果てたプシケーには、またもや助っ人が・・・・
  とまあ、見てはいけないことを2回も見てしまうし、かなりの意思の弱さの持ち主のプシケーながら、美しいということは、やっぱり、生まれつき、「持っている」のかなぁ・・・

 最後は、ハッピーエンドです。「四季の神々が部屋をバラで飾ります。琴にあわせてアポロが歌を歌い、パンがアシ笛をかなでます。おや、ヴィーナスが美しい音楽にあわせて、かろやかに踊っています。こうして、りっぱな結婚式をしてもらい、プシケーはキューピッドの妻となりました。そして、このふたりから「喜び」という名前の娘が生まれました。」

☆写真は、パリ ルーブル美術館。キューピッドとプシケー像。

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