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シャムロック・ティー

    66トリニティカレッジj
「書くこと」についてとおなじくらい「読むこと」についての本から続き≫
(承前)
 アイルランドの作家キアラン・カーソンの「シャムロック・ティー」 (栩木伸明訳 東京創元社)の巻頭に、二つの引用文があります。
 一つは、具体的な章立て、一つは、全体を言い表していると思います。
≪彼はまず、画板を百の四角に区分けする。それぞれの四角に番号をつけて小さな手控え帖に書きつける。しかるのち、これらの四角をさまざまな色で塗り分ける。さまざまな色合いの緑、黄色、青色、肌色、そのほかできるかぎり多様な混色をおこない、おのおの四角を着彩する。そしてその記録を、先述の手控え帖に書きとめる。『ネーデルランドの画家列伝』カレル・ファン・マンデル1604年≫
・・・この引用を受け、「シャムロック・ティー」では、全体が100章の構成となり、それぞれの章に、色名がつけられています。例えば、「ドラゴンの血」「カラスの濡れ羽色」「オウムの緑」「一角獣の白」「ライラック色の靄(もや)」「ブルゴーニュ・ワインの赤」「ピレネー山脈の青」・・・・といった具合です。そして、その色合いと関わりのある章となるという、凝った造りです。もちろん、1章ずつは、つながっていき、結果、全体が、もう一つの引用文≪世界は成立している事柄の総体である。『論理哲学論考』ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン1922年≫とつながります。・・・うーん、うーん???読む人の混乱を狙っているのか?
(「ローズ・ベルタン」に続く)

☆写真は、アイルランド、トリニティカレッジ図書館のポストカードとケルズの書の図録。

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