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ねこのオーランドー

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 古書店Fabulous OLD BOOK主催の絵本講習会に参加しました。講師は矢野有先生で、「子どもの本」のエキスパートです。たくさんの絵本(古書)を実際に手にとって見せていただけるのが、講習会の大きな魅力でした。
 今回のテーマは、「ペール・カストールの絵本シリーズについて」で、フランスのこのシリーズの果たした役割の大きさをお話くださいました。「子どもたちの興味や可能性に本を合わせ、新しい本作りに取り組む」というポール・フォーシェが創刊したこのシリーズには、お話だけでなく、図鑑的なものや、工作や切り絵・塗り絵ができるもの、青や赤の眼鏡で見えるものが異なるものなどもありました。多くは、ずいぶん洗練され、オシャレで、さすがフランスという感じがし、子どもたちのために質の高いものを提供していたのがよくわかりました。「川はながれる」のロジャンコフスキーも、「りすのパナシ」「野うさぎのフルー」「かわせみのマルタン」「かものプルッフ」「くまのプウル」*等で参画し、シリーズの質を高めました。
  また、「ペール・カストールの絵本シリーズ」は、見栄えより内容を重視するため、ペーパーバック絵本でしたが、これは、当時、旧ソ連のぺらぺらした絵本が影響を与えたということでした。そして、ギフトブックという豪華な絵本が主流だった英国の絵本にも影響を与えました。
 そこで、先日、古本海ねこさんの目録で購入した英国のペーパーバック絵本「オーランドーの動物園」**が、その影響を受けた石版刷りのものだと判明し、嬉しくなりました。

 実は、この講習会を紹介してもらったのは、海ねこさんが2月にひらいた「絵本みせびらかし対決」に、参加できなかったことに端を発しています。今回、きちんと書肆整理なさっている謹厳な矢野先生に、恐れ多くて冗談でも「絵本見せびらかしの会ですね」とは言えませんが、参加者に見てもらって、啓蒙すると言う点では、「絵本見せびらかし対決」も、私の少しばかりの蔵書を見せびらかして、手にとって楽しんでもらう小さな集まりも、ちょっと似ている気がします。

*「りすのパナシ」「野うさぎのフルー」「かわせみのマルタン」「かものプルッフ」「くまのブウル」(リダ・フォシェ文 石井桃子訳 フェードル・ロジャンコフスキー絵 童話館)
**「ねこのオーランドー」キャスリーン・ヘイル(脇明子訳 福音館書店)
**「ねこのオーランドー 農場をかう」キャスリーン・ヘイル(脇明子訳 童話館)
**「ねこのオーランドー 海へ いく」キャスリーン・ヘイル(小沢正訳 童話館)

☆写真、一番手前、開いているのが、石版刷り(リトグラフ)の“Orlando’s Zoo”です。紙質がざらっとしていて、なにより、絵の具が上に載っている質感があります。奥付には、出版社名とは別に、刷った人の名前(会社)が書いてあります。今、刷ったかのように、綺麗な本です。他のもすべて未邦訳の古書ですが、オリジナルリトグラフをオフセット印刷したものだと断りが書いてあります。

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