みんなみすべくきたすべく

犬のウィリー

ウィリーj
「のら犬ウィリー」(マーク・シーモントさく みはらいずみ訳 あすなろ書房)
 
 昨日の犬のジェヌビエーブ➡➡は、パリののら犬でしたが、こちらはアメリカ、多分ニューヨークののら犬のお話。
≪家族でピクニックに行くと、犬がいました。ウィーリーと名付けて、一緒に遊んでいると、あっという間に時間が経ち、家に帰る時間になりました。ウィリーは、誰かの犬かもしれず、連れて帰るわけにはいきません。でも、みんな、ずっとウィリーのことが気になって・・・
 次の土曜日も同じ場所にピクニックに行くと…そこに居たのは、網をもっているおじさんに追いかけられているウィリーでした。
首輪もひももない犬は捕まえなくてはならいというおじさんに、 こどもたちは、ベルトをはずし、髪のリボンをはずし、「ウィーリーは、うちのこなの!」≫
 
 実話をもとにできた絵本だと紹介されています。マーク・シーモントは、
「木はいいなぁ」(ジャニス・メイ・ユードリー文マーク・シーモント絵 西園寺祥子訳  偕成社)
「はなをくんくん」(ルース・クラウス文 マーク・シーモント絵 木島始訳 福音館)
「オーケストラの105人・105人のすてきなしごと」(カーラ・カスキン文 マーク・シーモント絵 岩谷時子訳 中川千尋訳 すえもりブックス・あすなろ書房)
などなどの画家でもあり、自然と人の動きをなど丁寧に、しかも、親しみゃすい描き方で表現できる画家だと思います。
 それは一時期ルームメイトだった「かもさんおとおり」などの作者、ロバート・マックロスキーも、画風こそ違え、共通するものがあります。
 そして、二人ともコルデコット賞を受賞しています。マーク・シーモントは「木はいいなぁ」で、ロバート・マックロスキーは「かもさんおとおり」「すばらしいとき」での2冊です。

上の写真の両ページには、犬がたくさん描かれていますが、「ウォーリーウィリーをさがせ」式で探してみると、こどもは、すぐに見つけます。

「かもさんおとおり」(ロバート・マックロスキー作 わたなべしげお訳 福音館)
「すばらしいとき」(ロバート・マックロスキー作 わたなべしげお訳 福音館)

PageTop

犬のジェヌビエーブ

マドレーヌ
(げんきなマドレーヌ」と「マドレーヌといぬ」(ルドウィッヒ・ベーメルマンス 瀬田貞二訳 福音館)の始まりは、
≪パリのつたのからんだ ある ふるいおやしきに、12にんの おんなのこが、くらしていました。2れつになって、9じはんに、ふっても てっても さんぽに でました。いちばん おちびさんが、マドレーヌで、ねずみなんか こわくないし、ふゆが すきで、スキーも スケートも とくい、どうぶつえんの とらにも へいっちゃら。≫です。

 そんなマドレーヌが、散歩の途中でセーヌ河に、落ちてしまいます。溺れる寸前を、一匹の戌が飛び込んで助けます。みんなは、その犬を、おやしきに連れ帰り、名前もジェヌビエーブとつけますが、学校検査の日に、追い出されてしまい、憤ったマドレーヌが叫ぶシーンが、上の写真のマドレーヌ人形と犬が見ているページ。

≪マドレーヌが いすに とびのって、「いいんちょうどの! おぼえていなさい!」と、さけびました。「ジェヌビエーブほど、えらい いぬは ないわ。あなたには、てんばつが くだりますから!』≫

 マドレーヌが勇敢でお茶目なところも可愛いのですが、こどもたちの世話をする、ミス・クラベルも素敵な人。
 子どもたちが騒ぎ出すと、すわいちだいじと はしりに はしってかけつけるのがミス・クラベル。

 それに、覚えにくい名前なのに、一旦覚えてしまうと、魅力的な名前のジェヌビエーブ。

 さて、この「マドレーヌのシリーズ」には、パリの風景も描かれていて、それを眺めるのも一興。
「マドレーヌといぬ」には、表紙のフランス学士会館だけでなく、モンマルトルやポン・ヌフ橋なども描かれています。

*「げんきなマドレーヌ」「マドレーヌといぬ」「マドレーヌといたずらっこ」「マドレーヌとジプシー」(瀬田貞二訳 福音館)
*「クリスマスのマドレーヌ」「ロンドンのマドレーヌ」(江國香織訳 BL出版)

PageTop

犬のキューちゃん

キューちゃん
 次は「スティーヴィーのこいぬ」(マイラ・ベリー・ブラウン文 ドロシー・マリノ絵 まさきるりこ訳 あすなろ書房)です。
昨日の「トプシーとアンガス」(マージョリー・フラック 作・絵 まさきるりこ訳 アリス館)➡➡のトプシーは、ご婦人の手からジュディの手に渡った犬の話でしたが、この「スティーヴィーのこいぬ」は、スティーヴィーが庭の木の下で見つけた子犬の話です。

 ドロシー・マリノの描く世界は、「くんちゃん」も、「ふわふわくんとアルフレッド」」も、「おかあさんはなにしてる?」も「スーザンとマイケルは一年生」も「ベンジーのもうふ」(子猫のお話です)も、どれも、みな優しく、穏やかな空気が流れています。
 
子犬の飼い主が見つかっても、スティーヴィーがその子犬をもらうことになるのですが、友達が口々に子犬の名前を提案するも、
≪スティーヴィーは、こいぬを じっと みつめました。「なんて なまえにしてほしい?」 スティーヴィーは、こいぬをのぞきこんで ききました。「キュウ キュウ!」と、こいぬはなきました。「キューちゃんだ! ぼく、このこいぬ、キューちゃんって よぶ!」とスティーヴィーはいいました。「キュウ キュウ!」と キューちゃんは いいました。みんな わらいました。「ほらね!このこ、もう げいとうを ひとつ おぼえたよ。じぶんの なまえが いえるんだ。かしこいなぁ!」と、スティーヴィーは いいました。≫

「くんちゃんのシリーズ」(ドロシーマリノ 石井桃子訳 岩波 まさきるりこ訳 あらいゆうこ訳 ペンギン社)
「ふわふわくんとアルフレッド」(ドロシー・マリノ 石井桃子訳 岩波)
「おかあさんはなにしてる?」(ドロシー・マリノ こみやゆう訳 徳間書店)
「スーザンとマイケルは一年生」(ドロシー・マリノ まさきるりこ訳 アリス館)
「ベンジーのもうふ」(マイラ・ベリー・ブラウン文 ドロシー・マリノ まさきるりこ訳 あすなろ書房)

PageTop

犬のトプシー

   アンガス3
(承前)
 さて、アンガスのシリーズ➡➡のもう1冊。
「トプシーとアンガス」(マージョリー・フラック 作・絵 まさきるりこ訳 アリス館)です。

 昨日、絵本の順番のことに触れましたが、この絵本が、シリーズの最後なのは、最初にアンガスとアヒル、アンガスと猫、アンガスとベスが一緒に遊んでから、そののち、トプシーが登場するからです。

 ≪むかし、あるところに、コッカー・スパニエルの こいぬが いました。なまえは、トプシーと いいました。トプシーの いえは、ペット・ショップの ショー・ウィンドーでした。あかんぼうのいぬのころは、トプシーにも おかあさんが いました。でも いまは、 トプシーには かぞくが いません。トプシーは さびしくて たまりませんでした。≫
 で、始まる「トプシーとアンガス」なのですが、このシリーズを通して、わかることは、どれも、最初のところで、簡単に、犬の特徴を紹介し、そのあと、始まるお話の展開を、期待させるものとなっていることです。

 トプシーは、ジュディという女の子とウィーンドーごしに対面するものの、実際にトプシーを家に連れ帰ってくれたのは、サマンサ・リトルフィールドという名前の お年寄のご婦人でした。この人は、大きな庭の立派な家に住み、庭も家もきちんとしていて、塵一つおちていない一人暮らしのご婦人でした。トプシーには、ひもをつけセーターを着せるのですが、トプシーは、噛みちぎります。エサを食い散らし・・・・・他に、いろんないたずらを繰り返します。「そんな悪い子は、地下室に入っていなさい」ということで、地下室に入れられるものの、そこの石炭置き場の投入口から外に出られることが分かり、庭に飛び出すと、裏木戸を抜けると、そこには、誰あろう?アンガスが、ブルン ブルン ベスが!・・・・そして、ジュディが!

 トプシーが庭に一目散に出ていく絵には、これらの家の位置関係の一部がわかります。アンガスの家の裏手に、ご婦人の家があり、その家は大きいものですから、ベスの家の裏手でもあったのです。(ちゃーんと、裏木戸を抜けると、とありました)
 そうか!じゃあ、最後に塀をのぞいて、ボールを取りに入ってくるジュディって、どこに住んでるの?
 それで、もう一度、昨日の「ベスとアンガス」を開いてみると、ベスとアンガスが、道でアヒルを追い駆け、猫が門柱の上で見ている絵の通りの向こう、小さく小さく子どもが描かれています。小さすぎて、ジュディと見るには、無理があるかもしれませんが、ジュディです。
 それに、その絵には、「まいごのアンガス」で登場したヤギまで小さく描かれていましたよ。

PageTop

犬のベス

アンガス2
(承前)
 アンガスのシリーズ➡➡は、まだ他にも二冊出ています。二冊には順番があり、まずは、
「ベスとアンガス」(マージョリー・フラック 作・絵 まさきるりこ訳 アリス館)

 素人目には、スコッチテリアのアンガスを大きく、スマートにした感じに見えるエアデール・テリアの本名ブルンブルン ベスが、今回の主役です。ちゃんとしたエアデール犬は、耳を立て、嬉しそうな顔をして、しっぽをブルンブルンふるのですが、この犬は、とても恥ずかしがり屋で、なんでも怖くて、いつもびくびくしながら大きくなりました。
 散歩も怖くて後ずさりしたり、餌を食べるのさえ怖くて、ついには丸のみしてお腹が痛くなったり、また、夜には壁に写る自分の真っ黒な影も怖い。
 ところが、ある日のこと、庭の向こうの垣根から、現れたのが、アヒル二匹と猫とアンガス・・・
 
 そうなんだ!
 アンガスの読者ならお分かりのように、アンガスと一緒に住んでいるのが猫。アンガスのお隣に住んでいるのが二羽のアヒル。ということで、アンガスのお家のもう一つのお隣に住んでいたのが、ベスだったのです。つまり、アンガスの家の両隣りには、アヒルとベスが住んでいるということです。
 アメリカの裕福な地域のおうちが舞台になっていますから、お庭も広く、お隣との距離もずいぶんあって、動物たちのご近所づきあいも、簡単にいかないものの、一旦仲良しになると、みんなで走り回っています。
 さて、さて、もう一匹の犬も参加しますよ。どこに住んでいるんでしょうね。(続く)

PageTop

犬のアンガス

アンガスjj
≪アンガスは、スコッチ・テリアで、からだはとてもちいさいのに、あたまとあしはおおきないぬでした。
アンガスは、みるもの かぐもの なんでも しりたがりました。——
ソファのしたには、なにがいるんだろう とか、かがみのこいぬは だれだろう とか。
もってこられるものと、もってこられないものがあることも、気になりました。——
くつは、もってこられるのに、ズボンつりは、だめでした。・・・・・・・・≫

 犬のアンガスの目線やその動きは、乳幼児そのものです。好奇心いっぱい。
 アヒルに、逆襲されるは・・・・「アンガスとあひる」(マージョリー・フラック 瀬田貞二訳 福音館)
 猫に翻弄されるは・・・・「アンガスとねこ」(マージョリー・フラック 瀬田貞二訳 福音館)
 ついには、迷子になるは・・・「まいごのアンガス」(マージョリー・フラック 瀬田貞二訳 福音館)

 上の写真に使ったアンガスの表情を、子どもが小さい頃、よく見ました。特に覚えているのは、まだ一人で歩けなかった頃の末っ子のこの顔です。
 興味津々で、窺っています。
 ・・・・で、気が付いたら、彼女は、開いた門扉のところで、右のような表情、姿勢で、道を見ておりました。きゃあ~
 車の通りがほとんどないとはいえ、ともかく車道でしたから、無事でよかった。ひとえに、母親の管理不行き届き。(続く)

PageTop

犬のベンジー

ベンジーj
(承前)
  「どろんこハリー」シリーズ➡➡は、ジーン・ジオン文、 マーガレット・ブロイ・グレアム絵のコンビでしたが、この「ベンジー」シリーズは、奥さんのマーガレット・ブロイ・グレアムが文も絵も担当しています。

 黒いぶちのある白い犬のハリーとは違って、ベンジーは、耳が長くてしっぽの短い茶色の犬です。
ハリーより、いたずらが過ぎず、家族の一員としての意識の高い(?)犬です。それに、ちょっと機転の利く賢い犬としても描かれています。(実際に、モデルとなった犬は、作者マーガレット・ブロイ・グレアムの子どもの頃、飼っていた犬ブラウニーで、たいへんかしこい犬だったと紹介文にあります。)

 「ベンジーのふねのたび」(わたなべしげお訳 福音館)では、いつもは、うちの人達と一緒に旅行に出かけるベンジーでしが、船の旅にはついて行けず、お留守番。
 そんなとき、うちの人達が乗っていった船そっくりの船を見つけ、ベンジーはタラップをかけあがりますが、そこには、船の猫のジンジャーが居て、追い駆けられ・・・・船は出港。
 コックさんには優しくされ・・・
 猫のジンジャーの危機を助けると、仲良くなり・・・
 するうち、船が帰港すると、家に一目散。

 ・・・という話なのですが、思い出すのは、「チムとゆうかんなせんちょうさん」(エドワード・アーディゾーニ文・絵 瀬田貞二訳 福音館)や「チムの犬タウザー」(エドワード・アーディゾーニ作・絵 神宮輝夫訳)です。
 コックさんに優しくされるところなんか、絵まで似ているように見えてきます。ただ、チムは、その後、船酔いになり、ベンジーは元気いっぱいという違いはありますが・・・
 それにすまた、船の猫と犬が仲良しになるところも「チムの犬タウザー」に似ています。ただ、タウザーは、そのまま船の犬になり、ジンジャーは家族のもとに戻ります。

 このベンジーのシリーズも「ベンジーのふねのたび」(わたなべしげお訳 福音館) 「ベンジーとおうむのティリー」 「ベンジーのいぬごや」 「ベンジーとはずかしがりやのフィフィ」(わたなべてつた訳 アリス館)が出ています。(続く)

PageTop

犬のハリー

 どろんこハリーj
 戌年なので、今日も犬の絵本。
 くろいぶちのある白い犬の絵本といえば、「どろんこハリー」「うみべのハリー」(ジーン・ジオン文 マーガレット・ブロイ・グレアム絵 わたなべしげお訳 福音館)です。
 なんでもすきだけど、おふろにはいることだけは、だいきらいなハリーです。
 うみべのことなら なんでも すきだけど、かんかんでりのおひさまだけは いやなハリーです。

 「どろんこハリー」「うみべのハリー」だけ読んでいると、ハリーは、いたずら子犬のような気がしますが、実は、けっこうなこだわりやさんだとわかります。
 「ハリーのセーター」(わたなべしげお訳 福音館)では、おばあちゃんからのプレゼントがバラの模様のセーターだったものの、ハリーはそのバラ模様が気に入りません。ところが、バラ模様のセーターの毛糸が鳥の巣に有効活用されたあと、新しいプレゼントのくろいぶちのある白いセーターは、得意満面で着るという具合。(写真、左上)

 「ハリーのだいかつやく/ハリーのうたうおとなりさん」(もりひさし訳 ペンギン社/こみやゆう訳 大日本図書)では、お隣さんの甲高い声を嫌い、牛のなき声を「なんて やさしいこえだろう こんなに ひくくて こえやわらかいこえは きいたことがない」と思い、消防音楽隊のチューバの音には「牛のなきごえよりも ひくくて やわらか」だと思い、蛙の鳴き声すら「牛よりチューバの音より、ひくくて やわらか」だと考えるハリー。そこで、ハリーのお気に召す音で、おとなりさんの声をかき消そうとするのですが・・・・

 さて、ハリーのシリーズは、ご夫婦コンビによるものですが、犬のベンジーのシリーズは、奥さんのマーガレット・ブロイ・グレアム作(文・絵)によるものです。(続く)

PageTop

戌年の戌の日

 いぬがいっぱいj
  今日は、戌年最初の戌の日。
 妊娠五か月になったら、安産の犬にあやかって、戌の日に腹帯をまく風習は、冷えないように、外から守るなどの意味があるのでしょうが、ともかく、出産に向かう中間地点で、妊婦を激励するという意味なのでしょう。

 さて、小さい子向きの犬の絵本には、こんな絵本もありますよ。
「いぬがいっぱい」(グレース・スカール作 やぶきみちこ訳 福音館)。どのページにも犬が描かれ、おりこうな犬、いたずら犬、しょんぼり犬、げんきな犬・・・最後に、みんないっしょに「わんわん」
 *ねこもあります。「ねこがいっぱい」(グレース・スカール作 やぶきみちこ訳 福音館)

PageTop

シラカバの木の、ずーっと上

ゴッホ15j
(承前) 
 ゴッホつながりで書くはずでしたが、朝、使うフェイスタオルを見て、書きたくなったのは、カリジェの描く「フルリーナと山の鳥」(ゼリーナ・ヘンツ文 アロワ・カリジェ絵 大塚勇三訳 岩波)のこと。
 写真に写る、タオルはもう何年も前の「カリジェ展」のときに買ったまま、お蔵入りしていました。
 年内は、孫が来ているので、洗面所が孫も楽しめる雰囲気にしたくて、フェイスタオルはカリジェ、バスタオルはぞうのババール(これも、何年も前の絵本展で買ったもの)、ハンドタオルは「うさこちゃん」(これは新しく買いました)。

 それで、フルリーナがシラカバの木のずーっと上の枝で寝ていた山の鳥を、枝から降ろすシーンのこのタオルは、原画より空を大きく、星をちりばめているせいか、原画から起こしたデザインとはいえ、原画より、満天の星が感じられるタオルとなっています。
 ただ、元の話は、星空は舞台設定の背景であり、主人公はフルリーナと山の鳥ですから、このタオルのように星空を強調しなくてもいいのです。

 いつか、孫がフルリーナの優しさに触れ、スイスの美しい景色が描かれたこの「フルリーナと山の鳥」を楽しむ日がくることを願います。

 さて、さて、単純なばあばは、歯を磨きながら、横目でこのタオルを見、つい、「Starry Starry Night ♪~」➡➡と口ずさんでおります。(続く)

PageTop