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みんなみすべくきたすべく

目をこらしたら

アリス4
 「不思議の国のアリス展」➡➡の画家の一人、ジョン・ヴァーノン・ロードは、細かい絵を描く人です。その中でも「鏡の国の昆虫たち」という画に、なんで?こんなのが描かれているの?と、教えて下った方が居て、しっかり、眼鏡をかけて目を凝らしたら、やっと、これが見えました。
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 そう、有名な蓄音機の前に座る犬。作品の中では、ちょっとした洒落なのでしょうが、調べてみると、この犬、日本の忠犬ハチ公と同じような位置づけで、イギリスの有名人(犬)のようです。
 商標の犬として知られているこの犬。実在したニッパーという名前の犬らしく、画家が、ちゃんとその肖像画を描き、それが元になっているよう。それは、その画家の兄が亡くなった後、この犬を引きとった画家が、蓄音機で元の飼い主である兄の声を聞かせたら、耳を傾けていた、そのシーンを絵に描いたとか・・・ふーん。知らなかった・・・
☆写真上と中、ジョン・ヴァーノン・ロード「鏡の中の昆虫たち」(2011年)、下も同じくジョン・ヴァーノン・ロード「汽車の客車」(2011年)
 アリス3

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肉筆浮世絵の世界

     肉筆画j
 京都 文化博物館の「美を競う 肉筆浮世絵の世界」(~2019年6月9日)に行きました。
 昔、浮世絵と言えば、版画の摺物と思っていたのですが、肉筆画展など増えてきましたから、➡➡  ⇒⇒  ➡➡  ⇒⇒浮世絵といっても、幅が広い事を今や、知っています。摺物だと大量に出回るわけですから、安価で、質もピンからキリまであったと思われますが、肉筆画は、基本一点ものですから、どれも、丁寧で細かい。
 今回の展示は、いわば、どれも似たような作風とはいえ、細かく描かれていることは、これまで見た肉筆画と同様。
北斎や広重など、名の知れた人のものも少しはありましたが、勉強不足のものには、初見のような浮世絵師の描いたものも多い。
 
 この「美を競う」というのは、着物や、その背景の桜や雪を競っているかのように思います。
 特に、彼女らの着る着物の模様、ちらりと見える長襦袢やその袖口。細かい作業も丁寧で美しい。

 とはいえ、この浮世絵という浮世の絵、つまり、俗っぽい特に美人画が、格調高い床の間を飾ったとは思えませんから、画家の費やした時間とその代価は、見合うものだったんだろうか・・・と俗なことを考えながら、会場をあとにしました。

☆写真は、二種類の案内紙とチケット。どれも違う絵師の描いたお姐さんたち。

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明恵展

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 大阪 中之島「明恵の夢と高山寺展」(~2019年5月6日)に行きました。ここは、神戸御影にある香雪美術館の別館で、2018年3月にオープンしました。
 大阪の真ん中のビルの中にあるので、こじんまりとした美術館です。朝日新聞社の創業者・村山龍平が蒐集した日本、東洋の古美術コレクションなどを収藏する美術館で、美術館の一部は、村山龍平記念室が常設され、その茶室や洋館の一部を見ることができます。

 それで、今回、見に行ったのは「明恵展」なのですが、高山寺といえば、国宝「鳥獣戯画」。
 これは、2014年に京都国立博物館で開催されていた「国宝 鳥獣戯画と高山寺展」➡➡と、 重なるものの、あの時は、凄い混雑。今度は違う!ゆっくり見られました!前期後期入れ替えがあるものの、今回見られたのは、全4巻のうちの甲乙巻。あの兎や猿や蛙の巻。やったぁ!!
 丁寧に見られたので、それぞれの動物たちの表情も楽しめたし、動きも、さすがと感心したり・・・

 また、二巻目に描かれている架空の動物や、見たことはないものの見聞きして描いた動物も、ゆっくり見るのは楽しいもの。平安末期から鎌倉初期のものと言われていますが、おお、ここにも犀と思われるものが描かれているじゃありませんか。それが、わかったのは、なにあろう。轉法輪寺の涅槃図➡➡に描かれている犀の絵の説明を聞いていたからなのです。あのときの説明「犀をみたこともなかったものの、角があり、身体が甲羅のように固いという話から、想像して描かれたものの」通りの犀さんがいましたよ。
 もちろん、龍や麒麟や象や獅子・・・

 確かに、空いていて満足いく国宝鑑賞でしたが・・・・もっと、アナウンスしてもいいんじゃないかなぁ・・・大阪って、文化を発信するのが下手なところあるんですよね・・・・あんなに間近で鳥獣戯画見られるなんて、そうそう、あることじゃないと思うけどなぁ。ただ、後期開催は、4巻のうちの後半の絵巻で、動物たちとは違う人物の戯画絵巻です。

戯画2

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M氏コレクション

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 2018年11月17日~2019年3月3日まで兵庫県立美術館でやっていたのが、「M氏コレクションによる J.J.グランヴィル」展でした。
粗忽者のカ・リ・リ・ロは、M氏とあるのを、勝手にK氏と勘違い、つまり鹿島茂氏コレクションと思いこんでいました。それなら、一時期、鹿島茂コレクション「グランヴィルー19世紀フランス幻想版画ー」(求龍社)で見た気になっていましたから。

 ところが、会期も終わりに近い頃、メールをくださった方が居て、「『M氏コレクションによる J.J.グランヴィル』展で、無料で配布している図録がいいものなので、一部進呈する」とのこと。え?K氏じゃない、M氏?

 で、ギリギリで 行ってきました。小さな展示でしたが、面白いものでした。ほとんどの風刺画もさることながら、擬人化された花の絵も綺麗なものでした。

 この花の絵を見て思い出すのは、エルンスト・クライドルフ➡➡。スイスのクライドルフとフランスのグランヴィアでは、素朴な擬人化とおすましの擬人化の違いがあります。それに、アルプスの自然を愛し描いたクライドルフと、風刺精神をもって描いた花たちとの違いもあります。
 ただ、グランヴィルの風刺画は、昆虫や動物の姿を借りた風刺画でしたから、特に、クライドルフの花と昆虫たちにも通じるものがあります。

 また、イギリスのウォルター・クレインの描いた「シェイクスピアの花園」(マール社)➡➡も、美しい花の擬人化でした。美しく描くことに力を注いでいるクレインの花たちには、風刺的精神は少ないように思います。それに、こちらは、シェイクスピアの話からイメージを膨らませた画ですから、グランヴィルの花の画の成り立ちと違うのです。グランヴィルの花の絵は、のちに絵からイメージを膨らませた文章となり、「花の幻想」という本になりました。

 もちろん、グランヴィアが クライドルフやクレインの先達ですから、同じヨーロッパに生きた二人は、その影響を受けたに違いありません。(続く)
 
*J.J.グランヴィル(1803~1847)  「花の幻想」(J.J.グランヴィル画 タクシル・ドロール著 谷川かおる訳 八坂書房)
*ウォルター・クレイン(1845~1915)  「シェイクスピアの花園」((ウォルター・クレイン画 マール社)『Flowers from Shakespeare's Garden』(1906)
*エルンスト・クライドルフ(1863~1956)
「花のメルヘン」(エルンスト・クライドルフ作 佐々木田鶴子訳 ほるぷ)
「アルプスの花物語」「花を棲みかに」(エルンスト・クライドルフ作 矢川澄子訳 童話屋)

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東福寺 光明宝殿

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 京都 冬の特別公開(~2019年3月18日)の最後に行ったのは、3月しか公開していなかった東福寺 光明宝殿でした。
 鎌倉前期に創建された東福寺は、奈良の東大寺と興福寺を合わせたような大寺にしたいとの願いから名付けられた京都随一の禅宗の巨刹で、禅寺と密教と兼ねたような歴史を持つので、他の禅宗寺院より多くの仏像があるとされています。(*参考:「東福寺のみほとけ」という案内紙)

 ということで、いつもは、お庭や紅葉や他の塔頭の花を見に行く東福寺の大きな阿弥陀如来坐像や金剛力士立像を見てきました。
 仏像たちは、明るい天井の高い一室に集められているので、真近で見る(拝む)ことができました。遠くだと、しっかり見えていない二天王立像(室町時代)の足の下の邪鬼。足の指が3本で、手の指は4本なの、知ってた?

 寺伝で運慶作と言われる金剛力士立像(鎌倉時代)も鎌倉時代らしく、伝運慶らしく、力強いもの。筋骨隆々、写実的で生き生きとしていました。
 そして、何より平安時代の大きな阿弥陀如来坐像の美しい事、有難い事。

 また、別室には、応挙の傘にお馴染みの子犬の掛け軸、四季を描いた金箔障壁画など、少々傷みは来ていますが、とにかく、まじかで見ることができるのは、嬉しいものでした。(続く)

☆写真下、東福寺塔頭に咲いていた八重の椿。薔薇じゃない!東福寺

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涅槃図絵

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(承前)
轉法輪寺の特別公開は、写真撮影がOKという、珍しいものでした。
涅槃図は、7メートル以上もある大きなもので、観覧者も居る中、上から下まで写すことは少々難しいものの、近くで細かいところまで鑑賞・撮影できました。

 以前、本法寺の特別公開の時に見た大涅槃図➡➡よりは、小さいのですが(縦5メートル30センチ 横4メートル90センチ)、それでも、本堂の天井近くから床まででは足りず、最下部は、床に載せられたような状態。また、修復されたようで、状態もよく、金色に輝いていました。

 ここの涅槃図は、描かれている人の名前がわかるようになっているのが、より、涅槃図の物語をリアリティのあるものにしています。

 例えば、上記写真は、その涅槃図の上半分ですが、下の方は、動物や鳥など、いろんなものや人が描かれています。そこに描かれた、怖い顔をした猫。みんなのようにお釈迦様を見ていないのが、わかりますか?
涅槃図2j
これは、涅槃図右上方の雲に乗ってきた、お釈迦さまのお母さんの摩耶夫人が(釈迦を生んで7日目にこの世を去った)、釈迦の死が近いことを知り、薬を持ってきたものの、急いで、釈迦のもとに投げたら、薬は沙羅の木の上にひっかかってしまいます。(右から7本目の木:沙羅の木は全部で8本。釈迦が死ぬと4本は枯れます。四枯四栄)そこで、木登りを許されていたのが、唯一ネズミだったものの、そうはさせじと、睨んでいるのが猫。ちなみに猫の前に描かれ、鹿の前 牛の後ろに居る 甲羅のついている奇妙な動物は、犀(さい)なのだそうです。犀をみたこともなかったものの、角があり、身体が甲羅のように固いという話から、想像して描かれたもののようです。(続く)


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雪梅雄鶏図

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今冬の京都文化財特別公開のテーマ「京都にみる日本絵画」(~2019年3月18日)➡➡  ⇒⇒の続きです。スタンプラリーもあって、先日、妙心寺天球院と麟祥院の二つに行きましたから、3つ集めるスタンプも、もう一つ・・・ということで、建仁寺両足院の若冲を見に行きました。
 両足院は、便利がいい場所にあるので、先日の秋の紅葉の時も➡➡、半夏生のときも⇒⇒  ➡➡、  ⇒⇒など、よく行っていますが、冬の公開時の両足院には、行った事がありませんでしたから、若冲の「雪梅雄鶏図」も、初めてでした。

 すぐそばで見ることのできるこの掛け軸は、鶏の尾羽が綺麗。梅の枝の雪の様子も綺麗。そして、何より、綺麗なのは、赤色。雄鶏の鶏冠の赤。葉が緑の椿の花の赤。絶妙なバランスで配置された赤。密かに、ウグイスも来てますから、春も近い・・・今日の日のように・・・

伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」の公開は、2月1日~2月25日
長谷川等伯筆『竹林七賢図屏風』『水辺童子図襖絵』
伝如拙筆『三教図』【重要文化財】1月10日~1月31日
しろき観音像2月26日~3月18日と案内されています。

☆下の写真は、建仁寺近く花見小路裏のお玄関先の鉢植え。親切に名札がついています。椿の名前は「太郎冠者」。紫のお花は「おきな草」(翁草)・・・花の後、白くもしゃもしゃした毛のような種が、老人の髪のようだからということです。 つまり、太郎冠者と翁。なかなか粋なアレンジ。京都らしい。一番下の写真は、建仁寺境内の侘助(下向いて咲いている椿の一種)、多分、これも太郎冠者。
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障壁画

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(承前)
 今冬の京都文化財特別公開のテーマは「京都にみる日本絵画」とありました。(~2019年3月18日)
 その中で、妙心寺天球院と麟祥院に行きました。
 まず、天球院では、狩野山楽生誕460年記念とする狩野山楽・山雪の絢爛豪華な障壁画が見ることができるのですが、「印刷」とあります。こんな大きいもの?凄い技術ですね。いわゆる大きなコピーなのです。現在、本物は、京都国立博物館にあるらしく、数年前の「狩野山楽・山雪展」などで見られたようです。
 もとは、金箔画なので、本当に贅沢なものです。描かれた草花の美しい事。虎の生き生きしていること。こんなに小さな塔頭に、しかも、禅寺の一角に この華美なものがあったのは、ちょっと考えにくいくらいです。
 一部屋のみ、桃山時代そのままの水墨画の部屋が残されていました。
まだ瓦jjj
 加えて、その廊下の天井がまた凄い。関ヶ原の戦い(1600年)の直前の伏見城の戦いで、自刀した遺体が並べられていた床板を、いわゆる血天井として使っているのです。供養のため、足で踏むことのない天井に再利用という発想ですが、調べてみると、京都の結構な寺院に使われていました。(続く)
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クィーンの天文学者

天文学者
 映画「ボヘミアン・ラプソディ」➡➡のエンディングロールでは、かつての写真や、映像が写り、実際の人々の雰囲気もわかるようになっていました。それで映画では、それらの人に扮する人たちも、よく似た人たちを起用していたのが、よくわかりました。

 中でも、ギタリストのブライアン・メイは、やんちゃなフレディと向き合う冷静な人であり、今もこの映画に関係し、かつて、2012年のロンドンオリンピック➡➡の閉会式には、クィーンのメンバーとして出演演奏していた現役の人なので、役者も大変だったかもしれません。(このオリンピックの映像を見てみると、彼が動物愛護活動に力を入れている人だとわかります。ミニタリー衣装の右袖には、キツネ、左袖にはアナグマのワッペンが・・・)
 それから、ブライアン・メイ本人が、天文学の研究者として論文を書いたというのは、興味深いことです。というのも、イギリスやアメリカの俳優歌手には、結構、インテリも多く、学問だけでなく、幅広く自由に人生を広げている人がいるからです。彼は、博士。Dr.メイなのです。
 
 で、思い出したのが、フェルメールの「天文学者」という絵。若い頃のブライアン・メイにちょっと似てませんか?(写真は、2012年ルーブルで撮りました。同じ頃、2012ロンドンオリンピックのブライアン・メイでは、思いもよらなかったけれど・・・・。)

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至近距離で

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(承前)
 金地院の方丈とお茶室、その待合には、密かなお楽しみがあります。特別拝観料は必要ですが、説明付きで、一般には入れない方丈の奥にも入ることができます。(大きな案内がないので、申し込みを忘れがちですが、門のところで、時間の予約をぜひ。こんなハイシーズンでも、その場でOKでした)

 ただし、方丈の金箔の襖絵は、狩野探幽、狩野尚信の筆ですが、これは、暗い中、遠くから見るだけです。また、地蔵菩薩は快慶作であるものの、遠くて暗すぎ、そのお姿は写真で見るだけです。
 が、特別拝観できる方丈の奥の小さな部屋(菊の間)の「柴垣に菊」の襖絵は、狩野探幽とされ、下絵の線までも見ることができるくらい近くに寄ることができます。また、その前には、海北友松➡➡のカラスとフクロウの屏風「群鴉屏風」もあって、生き生きと楽しい。小方丈には、長谷川等伯の「猿猴捉月図」「老松」の襖絵。これまた、どちらも、至近距離で、まじまじと筆使いを鑑賞できるのですよ!!!
 輪郭を取らないその筆遣いは、近くで見ると、お猿さんの毛のふわふわ感がわかり、また、届きそうで届かない池の月、折れそうな木の枝で手を伸ばす、危なっかしい猿…単純な絵から、伝わるものが大きいのがわかります。このお猿さんの絵と右の松の絵は、一見、同じ作品のようですが、実は、違う作品で、たまたま隣り合わせにあるというのも、興味深い。

 また、八窓席という茶室やその周りの部屋は、小堀遠州の作で、いたるところ、創意工夫がみられ、これも、楽しい。

 ということで、予定していなかった金地院拝観でしたが、多くの楽しみをいただきました。ま、とにかく、ふらふらと歩くだけで、京都には面白いことがあるものです。
 ☆写真上は、特別拝観のチケットに桜の葉と、桂の葉を並べました。下は、金地院方丈。
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