FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

ひき舟道

ヒキガエル2
(承前)
 Lock(ロック)好きなら、のグリーンノウシリーズの「グリーン・ノウの川」
(ルーシー・ボストン作 亀井俊介訳 ピーター・ボストン絵 評論社)
➡➡➡➡  ➡➡を思い出すかもしれませんが、川の散歩好きなら、もと馬の歩いた道のフットパス歩き。思い出すのは、「たのしい川べ」(ケネス・グレーアム作 石井桃子訳 E・H・シェパード絵 岩波書店)➡➡ ➡➡(12月14日の項)ですよね。

 ここでは、馬の歩く道のことを「ひき舟道」と訳していますが、大昔、初めて「たのしい川べ」を読んだとき、イギリスの川や運河事情については、まったく何も知りませんでしたから、その道のことも 舟を引く馬のことも、ボートで暮らす女の人(と、亭主と犬)のことも、へぇーと思いながら読んだものでした。

 そして、憎めないといいつつも、懲りないヒキガエルが、騒ぎを起こした事件の道具に使われたのが、ボートのひき馬でした。
 ヒキガエルと馬とひき舟との出会いはこうです。
≪・・・と、ちょうど、まがりくねった運河のかどから、馬が一ぴき、あらわれました。馬は、なにか心配ごとでもあるように、前かがみになって、ぽくりぽくりやってきました。首輪のところからは、長い力綱が一本、ぴんとうしろへはっているのですが、馬のあるくたびに、それが水につかり、さきのほうから、玉のしずくがおちていました。ヒキガエルは、馬をやりすごすと、あとからなにがやってくるのか、見ようと思って、立って待っていました。すると、まるくなったへさきに、しずかな水を気もちよくうず巻かせながら、ヒキガエルのわきにすべりでてきたのは、一そうのひき舟でした。はでな色にぬった舟べりは、ちょうどひき舟道とおなじ高さで、舟の中には、アサの日よけ帽をかぶった、大きな、がんじょうそうな女の人がただひとり、たくましいうでにかじをにぎっていました。≫

・・・で、ひと悶着あって、
ヒキガエルは、女の人に川の水にほおりこまれます。
≪・・・(ヒキガエルは)ひき綱をはずして、投げすてました。それから、ひらり、馬に飛び乗るなり、横腹をぐんとけとばし、駆け足で走りだしました。ヒキガエルは、ひき舟道をそれ、車のわだちにそい、ひろびろとした野原へ馬をむけました。…(中略)・・・・さて、ひき舟用の馬というものは、そういつまでもかけつづけることはできないのです。はじめのかけあしは、やがて、早足となり、その早足も、やがて並足に変わりました。けれど、ヒキガエルは、それで十分、満足でした。とにかく、ヒキガエルは動いているけれど、ひき舟は動いていないのですから。・・・・・≫

 そのあと、その馬はどうなったか?
 それに、ヒキガエルは、さらに一悶着も、二悶着も起こし、どうなったか?
・・・・懲りないんですよねぇ・・・・(続く)

☆写真上下は、英国 ヘンリー・オン・テムズの現代のひき舟道と、川と舟遊び博物館(River & Rowing Museum)の中の「たのしい川べ」コーナー
ヒキガエル85

PageTop

馬の歩く道

しょうぼうしjjj
(承前)
さて、ボートに住んでいるくまさんの絵本「ボートやのくまさん」(フィービ・ウォージントン作・絵 こみやゆう訳 福音館)➡➡は、ボートを馬のデイジーに引っ張ってもらって川を行き来するのですが、馬のデイジーの通る道は、川に沿った小道で、今は人が歩く道(フットパス)として使われています。つまり、川沿いのフットパスは、もともとは、馬さんが通っていた小道でもあります。

 それで、上のコンスタブルの描いた絵「フラットフォードの製粉場」(1816-7)の中央に小道が続いているでしょう。それがそうです。小道の向こうでは、釣りをしている人が居ます。
 この絵の解説(テート・ギャラリー展1998 兵庫県立美術館図録)には、
≪・・・・コンスタブル家は、彼が育ったイースト・バー・ゴールトから4マイルほど離れたフラットフォードで家業を営んでいた。一家は、ストゥール川に、穀物を挽く水車と、それをロンドンに供給するために、ミストレイまで運搬する荷船の建造ドックを所有していた。また、上流のデダムにも水車を持っていた。ストゥール川を行き来するには、荷船を馬に牽かせねばならなかったが、フラットフォード橋を通過する際には、ロープを一度はずす必要があった。この作品においても、のどかな景色のなかに馬にまたがった少年とロープを解く少年の姿が描かれている。・・・≫
*川の向こうにはロックがあり、左端に描かれている平底舟を船頭は、
 ここで、思い出したのが、「ハヤ号セイ川をいく」(フィリッパ・ピアス作 アーディゾーニ絵 足沢良子訳 講談社)のこと。川を舞台に繰り広げられる宝探しと友情の話です。お話の中に製粉工場のことが出てくるのですが、作者のフィリッパ・ピアスもコンスタブルと同じく製粉業が生家とのこと。

 閑話休題。さて、そんなボートですが、ロックを越えるときは馬をはずすので、どうやって動くか?それは、絵本「ボートやのくまさん」のなかでは、ボートに乗せてあげた男の子が、ロックを抜けるまでたずなを持っていてくれました。(ロックは、前に進むのではなく、水面の高さが変わるだけです。)
 じゃあ、馬のフットパスのないようなトンネルの下(橋の下)をくぐるときは、どうやって、ボートが進むのでしょう?
 それは、下の写真の絵に描かれています。(馬は、先に縄をはずされていますね。)
≪ボートのやねにのぼり、トンネルのてんじょうを てで おして、ボートを まえに すすめます。≫(続く)
ロック3

PageTop

ボートにすんでる くまさん

しょうぼうしjj
(承前)
さて、 「ボートやのくまさん」(フィービ・ウォージントン作・絵 こみやゆう訳 福音館)は、ん?ボート売ってるの?と思いがちな邦題です。(Teddy Bear Boatman)
 こちらは、ボートが自宅、ボートに住んでるくまさんなのです。仕事は、せきたんやさんであり、干し草やさんでもあります。この絵本こそは、英国色あふれるものだと思います。

 妹のスージーと同じ名前の船は、馬のデージーが引っ張ってくれます。川に沿った道を歩きながら引っ張ります。
ぱかぱか ぱかぱか!
 石炭をうると、おかねを受け取ります。
 1こ、2こ、3こ、4こ、5こ、
 6こ、7こ、8こ、9こ、10!
そして、ボートの屋根でスージーの作った昼ご飯。
≪ソーセージと マッシュポテトと おまめと それにアップルパイのカスタードクリームぞえです。≫
ロックj

 かつて、テムズ上流やその近くの運河をボートを見ながら➡➡、この絵本の馬のデイジーと同じような道を歩いてみた観光客には、本当に懐かしく嬉しい絵本でした。ロック(閘門)も様子も、懐かしい。
ロック1

ロックjjj - コピー

 ロックで、作業をする人たちを見るのは、飽きることがありません。大きなロック、大きな船。小さなロック、小さな船。動くことがあるんだろうかと思われる古びたボート。反対に生き生きと生活している匂いのするボート。➡➡  ➡➡(続く)
ロックjjjj - コピー
☆写真は、上から2・3番目英国オックスフォード近郊 テムズ川、運河。4番目マーロー近郊テムズ川 5番目ケンブリッジ近郊 ウーズ川

PageTop

ジョルジョのふるさと その2

ソノーニョ村9
 (承前)
「黒い兄弟ージョルジョの長い旅」(リザ・テツナー作 酒寄進一訳 福武書店)
の第1章に、何度か、ベガサスカ川のことが出てきます。
≪村はすでに二百メートルほど下になり、見えるのは教会の塔のてっぺんだけになりました。さらにその下の方では、ベルザスカ川がもうもううと水煙をあげて、怒とうのようにさかまいていました。≫
≪谷には大小の岩や枯れ木が散乱し、ベガサスカ川が水しぶきを上げて流れていました。≫
他にもベルザスカ川を表現する際には、水しぶきをあげて・・・ということばを使っています。つまり、かなりの急流。つまり、水は綺麗。

ジョルジョは、この川のマスが釣れる穴場にも詳しい。そして、そのマスを捕まえる知恵が、ソノーニョ村を出、ロカルノに着く途中で出会う、のちの仲間の一人アルフレドと仲良くなれるきっかけとなります。(続く)
ソノーニョ村3

☆写真二番目三番目は、バスから撮ったので、なかなかうまく写っていませんが、水の透明感がわかりますか?それにしても、カンカン照りのなか、みんな肌を焼いてますねぇ・・・ここら辺りも、今や、家族で楽しめる辺りスポットとなっています。
ジョルジョは、この渓谷沿いを、一路ロカルノという街を目指して進むのです。ソノーニョ村は、写真右手奥。
ソノーニョ村4

PageTop

子どもの本でちょっとお散歩(川 その19)

           平底船j
 (承前)
「緑の精にまた会う日」 (リンダ・ニューベリー作 野の水生訳 平澤朋子絵 徳間書房)
さて、見える人にしか見えない「炉端のロブ」ですが、ルーシーとおじいちゃんには見えました。そのおじいちゃんが亡くなって、ロブと暮らした畑もなくなって、ロンドン暮らしのルーシーは、ロブに会えることを切望します。で、長い道のり、ロブはロンドンに・・・

 この本の最初に「道を歩む者にささぐ」とあって、この本の骨格を一言で表現しています。ロブは、いろんな人、ことに出会いながら、徒歩で進んでいくのですが、一度、平底船に乗りこんで進むところがあります。
≪幅二メートルほどの平底船が、ポンポンと音を立て、つぎつぎ通りすぎてゆく。運河の途中に木の水門があり、船人はそこで行ったん船を降り、水位の異なる上流と下流の水門を、手順どおりにあけたり閉めたりすることになる。勢いよく水が移動し、水位が変わる。そうしてようやく水門をぬけ、平底船はふたたび運河の旅に出る。・・・・中くらいの大きさで、ペンキがきれいで新しく、屋根には少しの緑があって、そして人が多すぎない・・・それだけでいい。そんな船がこないだろうか。≫
 そう、ロックです。

 イギリスの道には、いわゆる道路だけでなく、川の流れも道に含むのだと思います。日本のように、急流でなく、ゆったりと流れていることが、道の一部と捉えられているのかもしれません。(続く)

☆写真は、英国 テムズ川を進む平底船(撮影:&Co.I)

PageTop

子どもの本でちょっとお散歩(川 その18)

                  454バース 川jj
 (「わたしは河が好きだ」から続き)
(承前)
読んだときに、そうそう、納得!と思える文に出会うと、寿命が延びたような気になりませんか?民話と歴史の違いを、こんなにわかりやすく説いた文に、ユゴーの「ライン河幻想紀行」で、出会いました。

≪ところで、お気づきだろうか?歴史はときに徳に背くことがあるが、民話は常に正直で、徳にかない、高潔である。・・・・・民話では、地獄は目で見ることができる。罪には、必ず罰が下り、ときに厳し過ぎる罰すら下る。罪の末路は必ず責苦であって、その責苦もしばしばすざまじい。悪人は必ず不幸に陥り、ときにははなはだしく嘆かねばならないはめになる。こうしたことは、歴史が無限の中に消滅しようとするのに対し、民話が有限の中に死滅しようとすることに起因している。・・・・≫

 そんなユゴー自身のイマジネーションから生まれたのが、「ライン河幻想紀行」の最後に載っている伝説仕立ての「美男ペコパンと美女ボールドゥ―ルの物語」です。

 ん?ペコパンって?美男のイメージと程遠い、コミカルなお名前だこと、と思っていたら、それが、ボールドゥ―ルと共に、最後の最後で意味を持つのです。
「ペコパン!ペコパン!」「ボールドゥ―ル! ボールドゥ―ル!」
片や雌鶏、片や鳩の鳴き声。

 といっても、なかなかシビアな結末のお話で、いわば、美男ペコパンの放浪記のようなものですが、悪魔が革袋に魂を収集しているところで、昔、子どもたちによく読んでやっていたフランスの民話「ふくろにいれられたおとこのこ」 *を思い出しました。男の子が、イチジクの木から落ちて、おにの袋に入れられ、食べられそうになるのですが・・・これも忘れられないお名前、ピトシャン・ピトショ。(「敷石道に響く音」に続く)

*「ライン河幻想紀行」(ユゴー著 榊原晃三訳 岩波文庫)
*「ふくろにいれられたおとこのこ」
(フランス民話 山口智子再話、堀口誠一絵 福音館)

☆写真は、英国バース エイボン川 バルトニー橋

PageTop

子どもの本でちょっとお散歩(川 番外)

ロックLock 
(承前)
 以下は、英国ウーズ川のロックです。昨日の写真の、テムズにあるマーローロックより水深が浅く、小ぶりです。いずれにしても、ロックの開閉は手仕事です。上流から来た船はロックの中に入って、水位が下がるのを待ち、下流から来た船は、ロックの中で水位が上がるのを待ちます。お互いが入っている間は、逆方向に進む船は気長に、ロックの外で待機しています。ともかくも、舟遊びというのは、気長でゆったりしているものなのでしょう。川の途中には停留地もあるので、夜はそこで舟を止め、また次の朝、出て行くという舟もあります。もちろん、舟に乗らない川沿いの散歩も楽しく、川沿いを歩く。歩くと、集落があって、小さなお店があって、お茶を飲んで・・・

①下流からボートきました。                 ②ボート入りました。
142ロック1j143ロック2j
③④水門閉めて水位あげます。
145ロック4j144ロック3j
⑤水位上がりました。出ていきます。次に上流から青いのが来ています。⑥青いのが入り、もう一艘、白いのも入ります。門閉めます。水位下がります。
146ロック5j147ロック6j
⑦後から入った白いのから下流に出ていきます。  ⑧青いのも出ていきます。屋根に犬が。
148ロック7j149ロック8j
ちなみに、3月24日の写真は、⑤と⑥の間です。

PageTop

子どもの本でちょっとお散歩(川 その17-2)

141マーローロックj
「グリーン・ノウの川」
(ルーシー・ボストン作 亀井俊介訳 ピーター・ボストン絵 評論社)

(承前)
 さて、実は、昨年6月、英国ヘミングフォード村に行った後、川べり散歩のことを書きすすめていました。ところが、夏場になると、日本では、川の氾濫等、大きな災害が相次ぎ、こんな文を公開するのも、ためらわれているうち、結局、ブログ開設ということになりました。それで、また、もたもたしているうちに、いわゆる大雨のシーズンになり、しかも、今日は台風!とりあえず、あの本もあの本も残っているけど、「子どもの本でちょっとお散歩 川編」を休憩しようと思います。

ロック(Lock)・ 水門・ 閘門(こうもん)
 イギリスの川のお話に、よく出てくるのが、もちろん、「グリーン・ノウの川」にもでてくるのが、ロックです。高低差のある川を行き来するボートのために、水門を開閉し、ボートの進行方向の水の高さに調節する仕組みです。日本にもいくつかあって、大阪には、淀川と大川の高低差を調節する毛間閘門というのがあります。

 「グリーン・ノウの川」では、オスカー、アイダ、ピンの3人の子どもたちが、ロック(水門)に入り、出ることが、こう書かれています。
≪・・・それで子どもたちはかいをこいで、細い石壁の水路へとまっすぐにはいっていった。すると後ろで水門がしまった。水は急速にへっていった。まるでエレベーターにのっておりていくような感じだった。両側の壁がぐんぐん上がっていった。川の一部がこんなにこんなに深い流れになっているなんて、思っただけでも怖くなるくらいだった。この巨大な風呂桶のせんは、ゴボゴボ音をたて、カヌーを引っぱり、吸いこんでいった。・・・・ようやく、下がわの水門がひらかれた。水がもういちど激しくぶつかり合い、泡だちあったのち、あらたに平らな水面ができ、カヌーは水車池にかいをこいで出ることができた。・・・≫

 「グリーン・ノウの川」には、挿絵がついていますが、文だけでは、まだロックをイメージしにくいかもしれません。明日は番外編で順を追った写真を、載せます。
(川 番外に続く)

☆写真は、英国マーローロック 水位の低い方に、ボートが出て行きます。
 

PageTop

子どもの本でちょっとお散歩(川 その17-1)

       139朝6時5分j
「グリーン・ノウの川」
(ルーシー・ボストン作 亀井俊介訳 ピーター・ボストン絵 評論社)

 英国の田舎に行くと、川べりの散歩が楽しみです。
 昨年のヘミングフォード村探訪の2日間でも、グリーン・ノウシリーズの舞台のマナー・ハウスを見学するだけでなく、「グリーン・ノウのおともだち」で、雨が降り続き、川が溢れ洪水になったという、そのウーズ川散歩も楽しみました。マナー・ハウスの庭は、川に面しているのです。

 グリーン・ノウのシリーズは、1120年に建てられ、今も住居として使われているマナー・ハウスとその周りの世界、そこに生きる子どもたちのシリーズです。

 シリーズの中でも、「グリーン・ノウの川」は題名に「川」とあるくらいですから、「川」が舞台となっています。「たのしい川べ」では、「川」がお話の舞台になり、本の骨となりましたが、「グリーン・ノウの川」は、お話の骨と言うより、お話のいたるところに「川」が流れている感じです。これは、「たのしい川べ」がテムズ川で、「グリーン・ノウの川」は、もう少し小ぶりなウーズ川であることが、関係しているかもしれません。大きな川でない分、より生活に密着し、しかも、その川のすぐ目の前に作者ルーシー・ボストンが、住んでいた。

 この本のように身近な視線での「川」の描写、しかも、繰り返し何度も「川」に接しているお話を他に知りません。ところが、その結果、お話全体の構成は、散漫な印象があります。同じシリーズの「グリーン・ノウのお客さま」が、優れた構成で、一気に読ませる力があるのと比べると、少々、差があります。

・・・・・オスカー、アイダ、ピンの3人の子どもたちは、夏休みになる前に、川を探訪し遊ぶのですが、夏休みになって、川に人が増えてくると・・・
≪川はもう、子どもたちが夢中になっていた、神秘的なところではなくなってしまった。もちろん川は、美しく曲がりくねり、きらきら輝き、しかも涼しく、カヌーの下では水があたってピチャピチャ音を立て、空には雲が地平線から地平線までのどかに浮かんでいた。だがそれでも、川はあたりまえの場所―人間の遊び場になってしまった。川を本当の住まいにしている生きものたちは、みんな身をひそめてしまった。本当のいのちはなくなって、水泳プールかお祭りばにすぎなくなってしまった。≫

・・・・・で、アイダは、新しい方針を決めます。
≪『もとどおりの川を見たかったら、夜明けに出かけなきゃだめよ。毎日、空が明るくなりかけたころに起きましょうよ。そしたら、朝ごはんの前に探検できるわ。』≫

・・・・・・そう!そう!英国の田舎の夏の早朝! Very Good Idea !
≪夜明けといっても、まだ太陽はのぼらず、風もなかった。空には雲らしい雲は出ていなかったが、ただいちめんに青白くかげっていた。水面はさびた水銀のようで、遠くには、木々の葉が何か忘れもののようにかすんでいた。進んでいくカヌーのまわりは、深くシーンとしずまっていた。≫
(川 その17-2に続く)

*「グリーン・ノウ」シリーズ(ルーシー・ボストン文 亀井俊介訳 ピーター・ボストン絵  評論社)「まぼろしのこどもたち」

☆写真は、英国ヘミングフォード村、グリーン・ノウの前で6月に撮りました。教会の時計の針は朝6時5分を指しています。

PageTop

子どもの本でちょっとお散歩(川 その16)

140マーロー河堰j
 先日TVで「大都会ロンドン キツネ1万匹 大繁栄の謎に迫る」というドキュメンタリーを放映していました。キツネたちが、ロンドンの民家や公園に1万匹も住みついていると言う内容でした。キツネは小ぶりな赤ギツネです。そう!ルーファス。(Rufusという男子名は、ラテン語で、red-headedらしい。また、英語でrufousは、赤褐色の、赤茶けたの意)

「こぎつねルーファスのぼうけん」「こぎつねルーファスとシンデレラ」
アリソン・アトリー著 石井桃子訳 キャサリン・ウィグルズワーズ挿絵 岩波)

 アナグマさん一家と暮らすこぎつねのルーファスが、川で小さな金の星を釣る話「こぎつねルーファスと魔法の月」には、月夜の川のきらめきが見える、美しい情景が書かれています。

 ≪ルーファスは、鼻を空のほうにむけて、川岸の匂いをかぎました。ぬれた土の匂いが、つんと鼻にきましたが、それは、とても気持ちのいい匂いでした。それから水ハッカや、フクロ草や、シモツケ草の香り、それから、コケや葉っぱの強い匂い。川は、にぎやかに流れていました。川は岩を飛び越え、白いあわをたてたり、小さいたきを作ったりしながら、大きな声で歌っていました。波の上には、金色の星のかけらや、ゆがんだ月が、空にある星や月と同じように、輝いていました。≫
 
・・・・それで、ルーファスは釣り糸を投げ、小さな金の星をたくさん釣るのでしたが、やってきた白鳥に諭され、一つ以外は川へ戻します。すると、

≪たくさんの白い手が水の中から出てきて、それをつかんだようでした。『あれ、どういう、ひとたちですか?』ルーファスはびっくりして、とぎれとぎれに聞きました。『ここに住む水の精たちです。』ルーファスが、水の精を見ようとして、じっと川の中をのぞきこんでいたとき、・・・・・≫

☆写真は、英国マーロー、テムズ川河堰、早朝、水面がキラキラ。

PageTop